先週末に年初来高値更新、ドル続伸期待強い(1月第3週)

先週のドル/円は、ドルが堅調裡。週末には109円台後半まで値を上げ、110円台の大台回復をうかがう局面も観測されていた。

先週末に年初来高値更新、ドル続伸期待強い(1月第3週)

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先週のドル/円は、ドルが堅調裡。週末には109円台後半まで値を上げ、110円台の大台回復をうかがう局面も観測されていた。

前週末に、米政府機関閉鎖は22日間を超え過去最長記録を更新。泥沼の様相を呈するなか、為替市場はオープンしたが、先週末のNYクローズと同水準の108円半ばで寄り付くなど、目立った影響は見られなかった。
そののち、108円割れまでドルは小緩むも底堅く、反発に転じると、以降は一貫してのドル高推移。週末には、年明け2日に記録した年初来高値を更新する109.89円まで上昇。NYは、そのまま109.75-80円のドル高値圏で取引を終え、越週している。

一方、週間を通して注目された材料は、「米政府機関の閉鎖を中心とした米国ファクター」と「英国情勢」、そして「北朝鮮情勢」について。
前者は、「トランプ米大統領、共和党の一時的な政府機関再開案を拒否」などと報じられ、解決の糸口がなかなか見いだせないなか、「米下院議長、大統領に一般教書演説の延期を要請」、「トランプ氏のダボス会議への不参加決定」、「大統領だけでなく、米代表団のダボス会議参加が中止」−−となるなど、マイナスの影響が数多く取り沙汰されている。
次いで、「英国情勢」は、15日に実施された「英議会によるEU離脱合意案の採決」が相場の波乱要因となっていた。「否決」はある程度事前に織り込まれていたものの、結果は賛成202に対し、反対432のダブルスコアと予想外の大差になるなど、サプライズな内容。また、15日以降は「英離脱の延期」観測など、欧州を中心とした要人発言や報道が相次ぎ思惑を呼んでいたようだ。

最後、3つ目の「北朝鮮情勢」は、米朝首脳の再会談に向け、スウェーデンで「北外務次官と米特別代表の会合」が実施されたほか、「北朝鮮の金朝鮮労働党委員長の最側近のひとり、金英哲副委員長が17日に訪米し、トランプ氏と接見」したことが明らかとなっている。

<< 今週の見通し >>

年明け3日の大荒れを経たのち、1週間以上推移していたレンジ(107.77-109.09円)の上限をしっかりと超えてきた。同時に、年明け2日に記録した今年のドル高値109.80円レベルを先週末に超えており、テクニカル面からはドルの続伸を期待したい。ちなみに、110円レベルは心理的な意味から抵抗にあたるほか、昨年12月高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しは110.35円レベルとなる。それらレベルを目指し、さらなるドルの戻りもありそうだ。

ただし、材料的にはドル高の不安要因もなくはない。話を米国関係だけに限っても、暫定予算失効による「米政府機関の閉鎖」は長期化の様相かつ、打開のメドが経っていないことは気掛かり。また、この週末に米紙WPが「サンフランシスコ連銀総裁、利上げ休止支持に傾く」と報じるなど、米利上げ継続思惑に暗雲が立ち込めていることにも要注意だ。その一方、「米中貿易協議の進展」や「米朝融和」といった期待感、思惑がドル買いを後押ししている感があるが、さらなる高値をトライするにはいま一段の要因が必要か。

テクニカルに見た場合、やや微妙ではあるが、109.65-75円レベルに位置、10ポイント程度と非常に薄い状態となっていた週足・一目均衡表の先行帯の雲をNYクローズでも超えてきた。ドルの強気派にとっては朗報だろう。
ただ、週足・一目の雲は今週、109.65-110.05円レベルと、その上限をやや拡大させることになる。つまり、少なくとも週初めの段階では再び雲の中に、埋没することになりそうで、改めて先行帯の雲の上限をめぐる攻防を注視したい。しっかりと超えれば、111円台に向けたドルの続伸も否定出来ない。

一方、材料的に見た場合、1月のリッチモンド連銀景況指数や同カンザスシティ連銀製造業活動指数といった米経済指標の発表が予定されているほか、米企業決算発表も引き続き実施される見込みだ。
そのほか、週初21日には「英首相がEU離脱代替案提示」するほか、22-25日の日程で実施される「ダボス会議」への関心も高い。後者については、トランプ米大統領やメイ英首相などが国内要因で会議に参加しないことが決定しているものの、逆に言えばそうしたなかだからこそ中国の動きなどが警戒されている面もあるようだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、108.70-110.70円。ドル高・円安については、先週記録した年初来高値である109.89円の攻防にまずは注視。超えれば名実ともに110円台回復が現実味を増してこよう。フィボナッチの観点では110.35円レベル、あるいは110.55円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、109.20-40円に弱いサポートが位置している。ただ、それを下回ってもドルは底堅そうで、17日安値の108.69円レベルはなかなか強いサポートとして寄与する可能性がある。(了)

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