レンジ下限割り込む、リスクは下方向に(19/1/2)

2日の東京市場は、ドル安・円高。夕方にかけて下げ足を速めると109.10円台、昨年6月1日以来の水準まで一時値を下げた。

レンジ下限割り込む、リスクは下方向に(19/1/2)

レンジ下限割り込む、リスクは下方向に

2日の東京市場は、ドル安・円高。夕方にかけて下げ足を速めると109.10円台、昨年6月1日以来の水準まで一時値を下げた。

年明けのドル/円相場は、昨年末のNYクローズとあまり変わらない109.60-65円で寄り付いたのち、日中高値である109.70-75円を記録。
しかし、ドル買いは続かず、軟落すると109円半ばのサポートを割り込み、夕方には109.10-15円まで下落している。東京やNZが休場となるなか、時間外で取引されているNYダウの先物が一時200ドルを超す下げとなったことなどが嫌気されていたという。16時時点では109.25円前後で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米政府機関の閉鎖問題」について。
前者は、北委員長が新年の辞として「核兵器はこれ以上製造せず」「トランプ氏との再会談に意欲」といった考えを示すなか、トランプ米大統領もそれに応える格好で「わたしも北委員長と会うのが楽しみ」と発言していた。また、そうしたなか朝日新聞は、韓国に亡命した元北朝鮮公使がインタビューで、「北は核保有国の地位を認めさせようとしている」と述べたと報じている。
対する後者は、米大統領が「国境のコンクリ壁を断念せず」と発言し米紙報道を否定、さらにはロイターが「米下院民主党が週内に予算案、ただ『壁』費用は含まず」、「トランプ氏、政府機関閉鎖解除へ与野党幹部と会合か」−−といった報道が観測されていた。

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2019年最初の取引は、昨年末にかけての流れを継ぎドル売り・円買いが優勢となった。ドル/円は前述したように、昨年6月1日以来の安値まで下落している。リスクは間違いなくドル安方向で、昨年安値104.58円を起点としたフィボナッチを参考にすれば、次のターゲットは61.8%戻しに当たる108.40円レベルか。しかし、起点をどこからとるかにもよるが、ともかく1ヵ月程度のあいだに4-5円下げていることで、ポジション的にはさすがに偏ってきた感を否めない。そのため、短期的にはドルの反発、調整を警戒する声もジワリと指摘され始めているようだ。

2週間目へと入っている米政府機関の閉鎖は結局越年、ドル弱材料のひとつとなっていることは間違いない。さらなる長期化の様相も取り沙汰される一方で、複数の米メディアが「トランプ氏、政府機関閉鎖解除へ与野党幹部と会合か」、あるいは「米民主党、予算案を3日に採決の方針」と報じるなど、一筋の光明も観測されはじめた。まだまだ紆余曲折はある気もしているが、状況次第ではドルが大きく買い戻されるキッカケとなる可能性もある。

テクニカルに見た場合、1週間強続いた110.00-111.50円というボックス圏を昨年末に下放れ、ドルはそのまま109円前半まで続落してきた。飽くまでザラ場ベースの話ながら、週足の一目均衡表では現在10ポイント程度と極めて薄い間隙を突く格好で、先行帯の雲(109.55-65円)を割り込んでの推移となっている。このまま週末を迎え、そして越週するのか攻防に要注意。
なお、そんなドルの下値メドはフィボナッチを参考にした108.40円レベル、そして昨年5月安値の108.11円などとなる。

一方、材料的に見た場合、12月の製造業PMI確報などの米経済指標が発表される予定となっているものの、基本的には新規材料難。週末に注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、目先は動きにくい雰囲気も。
ただ、先でも指摘したように「トランプ氏、政府機関閉鎖解除へ与野党幹部と会合か」との話がある。民主党指導者は大統領の招待を受け入れるか明言していないものの、実施されるとすれば本2日になるもようだ。変わり身の早いトランプ氏だけに、突如としての急展開も否定出来ず、進捗度合いをしっかりと見極めたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.70-109.90円。ドル高・円安方向は、週足・一目の先行帯の雲が位置する109円半ばが最初の抵抗。超えてくると、110円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の109.10-15円が目先のサポートで、その攻防に要注意。割り込めば109円、そしてフィボナッチで見たフィボナッチを参考にした108.40円レベルなどが意識されそうだ。(了)

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