株価の動きにらみつつ乱高下続く可能性も(12月5週)

先週のドル/円は、レンジ内での往来相場。ただ、8月21日以来のドル安値である110円ちょうどを記録するなど、トータルとしてはドルが冴えない。

株価の動きにらみつつ乱高下続く可能性も(12月5週)

株価の動きにらみつつ乱高下続く可能性も

先週のドル/円は、レンジ内での往来相場。ただ、8月21日以来のドル安値である110円ちょうどを記録するなど、トータルとしてはドルが冴えない。

前週末に、「米の政府機関が今年3度目の閉鎖」になったうえ、米政権幹部から「政府機関閉鎖は年明けまで継続の可能性」が指摘されたことを受け、週明けのドル/円相場は上方向にギャップを空ける、先週末NYクローズからドル安・円高レベルの110.90-95円で寄り付いた。
そののち、週間安値である110円ちょうどまで値を下げたものの底堅く、反発に転じると111円台を回復し111円半ば近くへ。しかし、週末にかけてドルは再び軟化すると110円前半まで1円以上値を下げた。結局週末NYは110.30円前後で取引を終え、越週している。

一方、週間を通して注目された材料は、「米貿易ファクター」と「そのほかの米国ファクター」について。
前者は、日米に関し「米USTRが対日交渉方針を発表、『為替操作の防止』の要求含む内容」と報じられたことに続き、共同通信が「日米、来年3月にも新貿易交渉を開始」とし、物議を醸していた。それに対し、米中は日経新聞インタビューで、ナバロ補佐官が「米中協議の合意は険しい」と発言したことに続き、ブルームバーグは「米政府代表団、1月7日週に貿易協議のため中国を訪問」、「中国商務省が来年1月に直接会談を表明」−−といったニュースも観測されている。

対して後者は、前週に報じられた「FRB議長の解任議論」報道をムニューチン米財務長官が否定したものの、今度はそのムニューチン氏について「株安の責任をとらせる」などとし解任報道が報じられていた(のちに、トランプ米大統領が「称賛したうえで信頼」を表明)。そのほか、「トランプ大統領のイラク電撃訪問」、トランプ大統領による「壁建設の財源確保に、いくらでも待つ」との発言−−といったニュースなども別に観測されている。

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過去を振り返ってみると、クリスマス前後の相場はあまり動かないことが多いのだが、今年は珍しく大相場。先週は値幅だけをみると1.4円ほどで、それほど大きいものでなかったものの、レンジ内での上下動が激しく、トータルすれば4円程度の変動をたどった計算になる。「クリスマス相場で商い閑散=小動き」ではなく、「商い閑散」を逆手にとった「荒れ模様」の相場付きだった。そんなクリスマス相場は名実ともに明けたが、今度は日本勢が年末・年始の休暇入りすることもあり、市場は引き続き薄商いのなか、荒っぽい価格変動が続く可能性も否定出来ない。

材料的にマーケットで注視されているものは大きく2つ。ひとつは、2週目に突入した米政府機関の閉鎖であり、こちらは越年がほぼ確定、このあともドル上昇の足かせ要因となりそうだ。もうひとつは、米中を中心に日米などの動きも注視される米貿易問題。こちらについても、基本的にはドル安・円高要因だが、週末にかけて米中首脳が電話会談、そののちトランプ氏はツイッターに「貿易面で大きな進展」などと投稿していたことが気に掛かる。週明けの市場は、このニュースを好感して取引が始まるのかもしれない。また、それとは別に、最近の相場は株価との連動性が強いことから、NYダウを中心とした動きにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル安方向にリスクをかけつつも、足もとはレンジ取引。実際、22日以降は110.00-111.50円といったボックス圏を形成している。短期的には、その1.5円ほどのレンジを、上下どちらに抜けていくのか、その方向性を注視したい。
前述したように、リスクという点ではドル安方向にバイアスがかかるため、抜けるとすれば下方向の公算が大きいが、その際のターゲットは年初来安値104.58円を起点とした上げ幅の半値押しに当たる109.55-60円か。ちなみに、ほぼ同レベルには週足・一目均衡表の先行帯の雲も位置しており、かなり強いサポートになる可能性も。

一方、材料的に見た場合、12月のISM製造業指数や同雇用統計といった重要な米経済指標の発表が予定されている。そのほか、米経済協会年次総会の動静にも要注意だろう。総会のパネル討論会にはパウエルFRB議長や地区連銀総裁が参加する見込みとされており、その発言内容が警戒されている感を否めない。
また、2週間目に入った米政府機関閉鎖の行方、ならびに米国を中心とした株価の動きや、週の半ばから名実ともに新年入りすることでの需給要因の変化などにも注意を払いたい。

そんな今週のドル/円予想レンジは、109.50-111.50円。ドル高・円安については、先週来ザラ場ベースを中心に絡むことの多い移動平均の200日線が位置する111円前後の攻防にまずは注視。超えれば、過去1週間ほどのレンジの上限である111円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週安値であり心理サポートでもある110円ちょうどがテクニカルポイント。割り込めば、フィボナッチを参考にした109円半ばなどが意識されそうだ。

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