為替は基本レンジか、不安定な株価を注視(12/28夕)

28日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」に近い展開で、ドルは終日を通して冴えなかった。

為替は基本レンジか、不安定な株価を注視(12/28夕)

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28日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」に近い展開で、ドルは終日冴えなかった。

ドル/円相場は、寄り付いた111.00円前後を日中高値にじり安推移。昨日安値の110.45円に一時迫る局面も観測されていた。株価が引き続き安定せず、日経平均株価も一時前日比で200円近く下落したことなどが嫌気されていたようだ。
ただ、日中安値を付けたあとは低位揉み合い。ドルの戻りも鈍く110.50-70円といったレンジ取引をたどるなか、16時時点では110.50-55円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「複合的な米国ファクター」について。
米中貿易協議について、中国商務省が「来年1月に直接会談へ」と表明したうえ、「米国のクリスマス休暇にもかかわらず、協議は着実に前進している」と指摘していた。また、ブルームバーグテレビはリンゼー元FRB理事の発言として「米利上げは減速を」、ロイター「米大統領、中国ファーウェイ製機器などの利用禁止を検討」、米紙WSJ「米政府機関閉鎖、長引けば景気見通し悪化も」−−などと報じている。

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リスクという点ではドル安方向にバイアスがかかるも、ドル下落の第一波は終了したようだ。チャートをみると、先週末22日以降、過去1週間ほどは110.00-111.50円というボックス圏を形成しているようで、短期的にはレンジ取引が継続する可能性がある。もっとも、クリスマスが明けたとはいえ商いはいまだ薄いなか、「流動性の低下=荒っぽい変動」には一応要注意。とくに、東京勢は明日から年末・年始の長期休暇に入る向きも少なくないだけに、リスク管理はしっかりとしておきたいところだ。
米政府機関の閉鎖は、27日で6日目に突入。事前に一部で報道されていたが、27日に米議会は連邦予算に関する審議に入らず、週内の採決を見送った。これにより、米政府機関の閉鎖が越年される公算が大きくなったと言えるだろう。為替市場にとっては、引き続きドル上昇の足かせ要因となる可能性がある。また、米株の不安定な動きも続きそうで、ここ最近の為替との連動制を考えると予断は許さない。

テクニカルに見た場合、ドル安方向にリスクをかけつつも、足もとはレンジ取引。前述したように、過去1週間ほどは110.00-111.50円といったボックス圏を形成している。短期的には、その1.5円ほどのレンジを、上下どちらに抜けていくのか、その方向性を注視したい。
なお、本日は週末ということで、週足チャートを見てみると、移動平均では下方向に位置する長期の52週線(110.35円レベル)、一目均衡表では109.35-70円に位置する先行帯の雲を視界内に捉えた動きとなっている。少し遠めである後者はともかく、前者についてはNYクロースでも維持できるかどうかをしっかりと注視したい。

一方、材料的に見た場合、12月のシカゴ購買部協会景気指数や11月の中古住宅販売成約指数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。ただ、昨日もレポートしたように、米政府機関閉鎖の影響で、一部の米経済指標公表が先送りされる見込みだ。発表スケジュールについては、個別の指標ごとにいまいちど改めて確認していただきたい。
なお、貿易問題を中心にいわゆる「米国ファクター」も少なくないが、クリスマスそしてボクシングデーが明け、参加者が本格的に戻り始めるなかの「欧州ファクター」には要注意だ。英国やイタリア情勢が依然として波乱含み。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.10円。ドル高・円安方向は、昨日までサポートとして寄与していた移動平均の200日線(111円前後)の攻防に注視。超えてくると、26日高値の111.41円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京の安値圏に近い昨日ドル安値の110.45円が最初のサポート。割り込めば、25日に記録した前回安値110円ちょうどが視界内に。

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