市場は依然休場多く荒い変動続く可能性も(12/26夕)

26日の東京市場は、ドルが小高い。クリスマスは明けたものの、まだまだ休場の市場も多いため取引量はさほど多くなく、ドルの上値も限られた。

市場は依然休場多く荒い変動続く可能性も(12/26夕)

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26日の東京市場は、ドルが小高い。クリスマスは明けたものの、まだまだ休場の市場も多いため取引量はさほど多くなく、ドルの上値も限られた。

ドル/円相場は、110.20-25円で寄り付いたのち、株価の動きをにらみつつドル買い優勢。日経平均株価が前日比146円高でオープンしたあと上昇、上げ幅を一時300円以上へと拡大させたことなどが好感されていた。ドルは日中高値となる110.65-70円まで値を上げたものの、徐々に上値が重くなると、その後は冴えず。110.30-60円といったレンジ取引となるなか、16時時点では110.40-45円で推移し、欧米時間を迎えた。

一方、材料的に注視されていたものは、「トランプ発言をメインにした複合的な米国ファクター」について。
前日に、株安の責任をとらせるとの報道がでたムニューシン米財務長官について、トランプ米大統領は「称賛したうえで信頼を表明」したほか、続けて「北委員長との首脳会談を楽しみにしている」、「自宅待機の政府職員は国境の壁を望んでいる」、「株安のいまこそ絶好の買いの好機」−−などといったコメントが相次いでいた。ただ、そののち米CNNは、再び「米大統領による財務長官への不満は増大」と報じている。そのほか単発として、財務省と日銀、金融庁による「3者会合」が行われたあとの浅川財務官から「金融市場に過度の警戒感、必要なら対応も」との発言、韓国紙「韓国外相は徴用工問題の対応は越年、と発言」、安倍首相「経済最優先の姿勢に揺るぎはない」、黒田日銀総裁「国際金融市場の動向とリスク要因を注意深く点検」といったニュースやコメントが観測されていた。

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過去を振り返ってみると、参加者が乏しくなるクリスマス前後の相場は小動きをたどることが少なくない。実際、昨年はクリスマス前の22日(金)の値幅はわずか20ポイント、週明けのクリスマス当日25日(月)も同じく20ポイント、26日は25ポイント−−に過ぎなかった。しかし、今年のクリスマス相場は逆に荒れ模様。懸念していた「流動性の低下=荒っぽい価格変動」を具現化した格好で、ドルは一時110円ちょうどまで値を下げている。ドルの下値リスクが高まってきており、直近安値の110円を割り込むようだと109円半ばを下値メドにした続落もありそうだ。

材料的には、米中をメインとした日米や日欧の貿易問題への懸念が潜在的にくすぶるなか、先週から続く「一部米政府機関の閉鎖」がドルの重石となっていることは間違いない。早ければ27日にも解消、との一部報道もみられたが、一方でマルバニー米行政管理予算局長は「閉鎖が年明けまで続く可能性」に言及していた。もちろん、今後の動静如何だが、しばらくのあいだドルの足かせ要因となる公算が大きいだろう。

テクニカルに見た場合、想定外のタイミングでのドル安進行となっており、前述したように昨日には一時110円ちょうどを示現している。
そうした一連の過程で、移動平均の200日線をはじめ数多くのテクニカルポイントを割り込んでおり、リスクは下方向にバイアスか。110円は心理的な意味も含め重要なサポートだが、下回れば年初来安値104.58円を起点とした上げ幅のフィボナッチ半値押しに当たる109.55-60円がターゲットに。

一方、材料的に見た場合、10月のS&Pケースシラー住宅価格指数や12月のリッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表される予定となっている。また、米財務省による5年債などの入札も実施される見込みだ。
ただ、クリスマス後のボクシングデーで、英国、ドイツ、フランスといった主要な欧州市場は引き続き休場となる。流動性の乏しい状況が続く見込みであるため、本日もキッカケ次第では荒い値動きをたどる可能性を否定できない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.10-110.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である110.65-70円が最初の抵抗。超えてくると、111円円前後に位置する移動平均の200日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、心理的なサポートでもある目先安値の110円をめぐる攻防にまずは注視。仮に、そのレベルを下回るとフィボナッチの観点からみた109.55-60円が意識されそうだ。

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