ドル円見通し 1月の三角持合下放れに近い角度(12/26)

12月13日高値113.70円から12月25日安値109.99円までは9日間で3.71円の円高ドル安だった

ドル円見通し 1月の三角持合下放れに近い角度(12/26)

【概況】

12月20日に日足で1.38円の円高ドル安となる大陰線を出現させた。この下落により3月以降の上昇トレンド及び10月4日以降の三角持合いの支持線であった104日移動平均を割り込んでの急落となった。概ね1年周期の天井・底打ちサイクルにおいて昨年11月6日高値から11か月目となる10月4日でこのサイクルの天井をつけた可能性があり、その後の三角持合いも昨年11月から今年1月にかけての三角持合いに近い位置付けとみてきたが、今回の急落により状況的には今年1月の円高ドル安開始時に近い展開に入ってきたという印象が強まった。
1月の円高ドル安は2月の世界連鎖株安に先行して始まったが、2月の株暴落によりさらに下落が加速した。3月26日に大底をつけたのはドル円も日経平均も同じであり、今回の円高ドル安についても株暴落が落ち着き、日経平均の底打ちと共にドル円も底をつけると考え、株安継続中は円高ドル安がさらに加速しかねないこと、2月の世界連鎖株安と比較して今回の株安の方が大きなスケールのために円高ドル安のスケールも当時を超える可能性があることを念頭に入れておきたい。

1月からは日米通商協議が始まるが、その中には為替条項も入ってくるため、短期的なリバウンド以上に円安ドル高感が強まる様な展開へ進み難い。
米中貿易戦争問題も関税強化の猶予中に決着することが難しいとの観測が強まればリスク回避的な円高感も拡大しやすい。
米国ではトランプ大統領が暫定予算に署名せず政府機関が一部停止する等の混乱が発生している。トランプ大統領誕生からのやや楽観過ぎたトランプラリーの株高が終焉し、バブル崩壊的な下げ方になり始めていることも含め、トランプ政治・経済・外交政策への不安感が投資家の心理を冷やし、行動を萎縮させ始めていることも暫く続くのではないかと懸念される。

【今年1月型の下落】

12月13日高値113.70円から12月25日安値109.99円までは9日間で3.71円の円高ドル安だった。今年1月8日からの下落では8日目の1月17日まで3.22円の円高ドル安で急降下した。今回の下落とほぼ同レベルの下げだ。1月17日から18日へ1.32円の反発を入れ、その後は数日の下げ渋りを見せたが4日目に崩れ、安値更新からは1月26日安値108.28円まで一段安となり1月8日からの下げ幅は5.1円まで拡大した。今回も多少の下げ渋りが入っても反騰を勢い付かせる材料の裏打ち、さらに押し上げ材料も加わるような状況にならないと下げ渋り後の一段安へと進んでゆくという展開が考えられる。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月20日早朝への反発で18日深夜高値を上抜いたために20日朝時点では20日未明安値を直近のサイクルボトムと仮定し、底割れからは新たな弱気サイクル入りとしていたが、21日未明への急落により底割れからの弱気サイクル入りとして21日夜から27日にかけての間への下落を想定した。20日未明安値から4日を経過し、110円割れから下げ渋っているため25日午後安値を直近のサイクルボトムと仮定する。底割れ回避の内は26日の日中から27日午前にかけての間への上昇を想定するが、底割れからは新たな弱気サイクル入りとして28日から年明けへの下落を想定する。

60分足の一目均衡表では遅行スパンの悪化、先行スパンからの転落状況が続いてきたが、26日朝の小反発で遅行スパンは好転しやすくなっている。遅行スパン好転からは高値試し優先とするが、いったん好転した後に再び悪化するところからは下げ再開とみる。また先行スパンが抵抗となってくると思われる。

60分足の相対力し大数は21日未明から25日への一段安に対して指数のボトムが切り上がる強気逆行型となっているので上昇しやすい印象だが、下げ道中の戻りでは50ポイントから60ポイント前後あたりが抵抗となり、40ポイント割れからは下げ再開へ進みやすいと注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、109.99円を支持線、110.50円から110.75円にかけての間を抵抗帯とみておく。
(2)110.20円を上回る内は戻りを試しやすいとみて110.50円から110.75円のゾーンを試すとみる。110.50円乗せ、維持へ進む場合は111.00円前後試しまで高値を試す可能性ありとみるが、情勢変化を伴う材料がないうちは戻りは短命の可能性ありとし、110.20円割れからは下げ再開とみる。
(3)109.99円割れからは一段安開始として109.00円、さらに株安により円高が加速する場合は108円台序盤を目指す下落を想定する。また110円以下での推移が続く内は下向きと考える。

【当面の主な予定】

12/26(水)
休場 豪、NZ、香港、英、仏、独、スイス、南ア、カナダ
13:00 (日) 黒田東彦日銀総裁、経団連審議員会で講演
23:00 (米) 10月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (9月 5.1%、予想 4.8%)
24:00 (米) 12月 リッチモンド連銀製造業指数 (11月 14、予想 15)

12/27(木)
14:00 (日) 11月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (10月 0.3%、予想 -0.1%)
22:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前週 21.4万件、予想 21.5万件)
23:00 (米) 10月 米連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数 前月比 (9月 0.2%、予想 0.2%)
24:00 (米) 11月 新築住宅販売 年率換算件数 (10月 54.4万件、予想 56.6万件)
24:00 (米) 12月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (11月 135.7、予想 133.0)

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