為替市場ドル安リスク燻るが予断は許さず(12/6夕)

6日の東京市場は、ドル安・円高。ザラ場ベースでは112.50-60円まで値を下げ、前回安値に面合わせする局面も観測されていた。

為替市場ドル安リスク燻るが予断は許さず(12/6夕)

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6日の東京市場は、ドル安・円高。ザラ場ベースでは112.50-60円まで値を下げ、前回安値に面合わせする局面も観測されていた。

ドル/円相場は、寄り付いた113.15-20円を日中高値に冴えない値動き。113円前後では一時下げ渋ったものの、割り込むとそのまま112円半ばまで一気に値を下げている。日経平均株価が続落、それも終値ベースで400円以上下落したことなどが嫌気されていたという。ただ、日中安値を記録したのちは、ドルがやや小戻しており、16時時点では112.80-85円で推移し、欧米時間を迎えていた。なお、仮想通貨ビットコインキャッシュは本日も下げ止まらず。一時125ドル前後まで値を下げている。ちなみに、わずか1ヵ月前には600ドル台で推移しており、現在は当時の4分の1以下に。まさに暴落という展開だ。

一方、材料的に注視されていたものは、「華為技術(ファーウェイ)CFOを逮捕」と「イタリアの予算案をめぐる動き」について。
前者については、「カナダで逮捕、イランへ違法輸出か」と報じられ、前日の米株安に加え、伝えられたこの逮捕報道が嫌気されると、日経平均株価の大幅安に繋がっていたとの指摘も聞かれていた。そののち「中国大使館がカナダ当局にCFOの釈放要求」といった報道も。
対して後者は、イタリア紙が「財務相、辞任を含む複数シナリオを検討」と報じるなか、通信社アドンクロノスからは「伊首相、修正予算案を来週11日に提出へ」、別のイタリア紙による「伊首相と副首相2人が6日に予算について協議」−−との報道が観測されている。

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過去1週間程度形成している113円台を中心としたボックス圏などを下回ってきており、素直に見ればドルの下値リスクが高まりつつある。しかし、先日と本日、2度とも112円半ばで下げ止まっていることはやや気掛かりか。相撲でいえば、徳俵上ギリギリで下げ止まった感もあるだけに、いま少し動静を見極めたい。仮に、このあとドルは113円台に「しっかり」回帰といった展開をたどるようなら、再び113円台を中心としたレンジ取引を続けることになりそうだ。
材料的には、先週末の米中首脳会談を経てなお、貿易問題への危機感は払しょくされていない。米中ともに政府要人から、楽観的な発言も幾つか聞かれているが、鵜呑みにしている参加者はほぼいないと言ってよい。むしろ、先で指摘した「華為技術CFO逮捕」が米中貿易戦争の激化につながりかねないといった声も聞かれていた。そうしたなか、ごく目先的には週末の雇用統計を中心に米経済指標への関心が高まっており、その内容には十分な注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、過去1週間程度形成している113円台を中心としたボックス圏や、10月以降の三角保ち合いの下限をともに割り込み112円半ばまで一時値を下げたが、その後プルバックで値を大きく戻す展開となっている。基本的なリスクは下向きと予想されるが、決め打ちは危険かもしれない。
移動平均の25日線が位置する113.35円前後で上値をキャップされれば、今後再び下値を試す可能性があるものの、超えていけばそのまま114円に接近する展開があってもおかしくないだろう。

一方、材料的に見た場合、11月のISM非製造業総合指数など幾つかの米経済指標の発表が予定されているなか、昨日はブッシュ元大統領の国葬でADP雇用統計をはじめ、当初発表が見込まれていた米経済指標が本日発表へと順延されている。もちろん数字次第だが、通常以上に大事な米経済指標の発表が相次ぐだけに、内容次第では相場の波乱要因になりかねない。また、米地区連銀総裁の講演などによる通貨当局者の発言も要注意であるほか、英国やイタリア情勢を中心に、欧州ファクターも予断を許さない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.70-113.70円。ドル高・円安方向は、昨日の高値にも近く、移動平均の25日線や一目均衡表の基準線など複数のテクニカルポイントが位置する113.30円前後が最初の抵抗。抜ければ今週高値の113.85円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京を含め、直近だけで2度下げ止まった112.55-60円の攻防を注視。その少し上、112.65-70円には一目均衡表の先行帯の雲の上限も位置していることで、ザラ場の動きだけでなく、NYクローズで維持できるか否かも注視したい。

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