114円台回復に現実味、ただ調整の懸念も(11/28夕)

28日の東京市場は、揉み合いながらもドルが小じっかり。終日を通して値幅は20ポイントにもとどかない凪相場だったが、それでもドルは113円後半の高値圏で底堅い。

114円台回復に現実味、ただ調整の懸念も(11/28夕)

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28日の東京市場は、揉み合いながらもドルが小じっかり。終日を通して値幅は20ポイントにもとどかない凪相場だったが、それでもドルは113円後半の高値圏で底堅い。

ドル/円相場は、113.75円前後で寄り付いたのち、値幅は限られたもののドルはじり高推移。終盤にかけては日中高値である113.90円レベルを示現する局面も観測されていた。日経平均株価が終値ベースで224円高となったことが好感されていたという。16時時点では、113.85-90円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、仮想通貨は全般堅調推移をたどるなか特筆する動きとなっていたのが、ビットコインキャッシュ。昨日欧米時間に暴落、300ドル台から170ドル台まで一気に値を下げるなか、本日早朝は逆に急騰。短時間で270ドル台まで値を戻すなど、かなり急激な変動が観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、週末に予定されている「G20首脳会議関連情勢」について。
G20を含めた日米首脳の外遊日程が発表され、それぞれ他国要人との会談が関心を集めるなか、クドロー米NEC委員長から「米中首脳会談で貿易問題の打開がなければ、トランプ氏は関税引き上げへ」との発言が聞かれていた。また、それに続けてロイターは「G20、貿易や温暖化めぐり声明の調整難航」、米紙WPは「トランプ氏、G20でのロシア大統領との会談中止の可能性を示す」−−などと報じ、思惑を呼んでいた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドルは連日の高値更新で、本日東京時間には113.90円レベルまで値を上げている。今月のドル高値114.23円を起点としたフィボナッチの観点では、76.4%戻し(113.75-80円)も突破したことになり、次なるターゲットは100%戻し。つまり、114円台回復が視界内に捉えられていることは間違いなさそうだ。ドル続伸に期待がかかる。しかし、チャートを見ると先週末に記録した目先安値112.66円から見ても一本調子の上昇を続けているだけに、ドル高基調に変化はないにせよ、調整が先行する展開を懸念する声。

需給要因をみると、M&Aの手当てや年末をにらんだリパトリエーションなど、ドル需給は依然としてタイトであり、引き続きドルの下支えに寄与しそう。経験則に見た場合、12月相場はドル高有利な傾向があるが、今年も需給要因が「12月のドル高」を支援する公算も取り沙汰されている。ただ、若干気掛かりなのは週末のG20会合に合わせた米中首脳会談について、楽観的な見通しが依然として優勢なことか。材料面からすると、逆に高値掴みのリスクも考慮するべきなのかもしれない。

テクニカルに見た場合、先週来形成していきた112.30-113.30円程度のボックス圏を上放れてきたのち、ドルは続伸。本日東京時間には113.90円レベルまで上値を伸ばしてきた。114円台回復が完全に視界内に捉えられた感があり、次のターゲットは11月高値の114.23円で、超えれば年初来高値114.55円を目指す。
なお、以前に日経新聞が「ドル/円相場は変動相場制以降で年間を通じた過去最小変動幅」−−を記録する懸念を報じたことがあったが、いまだに状況は変化していない。「本日中」という話ではないが、前記した年初来高値を更新し、懸念の払しょくを期待する声も聞かれていた。

一方、材料的に見た場合、7-9月期のGDP改定値や11月のリッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債入札も実施される見込みとなっている。また、パウエルFRB議長の講演なども予定されており、それらはいずれも要注意だ。
そのほか、週末G20会合と絡めた要人発言や、英国やイタリアを中心とした欧州情勢もまだまだ波乱の余地を秘めている。注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.40-114.40円。ドル高・円安方向は、本日高値である113.90円レベルが最初の抵抗。抜ければ、いよいよ114円台乗せを否定出来ず、前回高値114.23円がターゲットに。対するドル安・円高方向は、113.40円レベルに弱いサポートが位置しており。まずはその攻防を注視。割り込むと移動平均の25日線が位置する113.15-20円が意識されそうだが、いずれにしても底堅いイメージだ。

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