ドル円底堅い反面上値も重い、強保ち合いか(11/27夕)

27日の東京市場は、113円半ば挟みの揉み合い。終日を通して値幅は20ポイントにもとどかない凪相場だった。

ドル円底堅い反面上値も重い、強保ち合いか(11/27夕)

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27日の東京市場は、113円半ば挟みの揉み合い。終日を通して値幅は20ポイントにもとどかない凪相場だった。

ドル/円相場は、113.55円前後で寄り付いたのち、前日NY終盤の流れを継ぎドルは下値を試すも攻めきれず。113.40円レベルで下げ止まると、その後は113.40-55円といった極めて狭いレンジ取引に終始している。前日の米株高を受け、日経平均株価も大幅高となったが影響は限定的。リスク志向の円売りも限られた。16時時点では、113.45-50円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、東京時間はやや静かだったが、仮想通貨が引き続き波乱含み。昨日の欧米時間を見ても上下の振れが大きくなっており予断は許さないだろう。ビットコインに関しては、再び3700ドル台割れを見込む声も少なくない。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米国ファクター」、なかでも「トランプ発言」について。
前者は、「EU首脳会談で英離脱合意案が正式決定」されたことに続き、メイ首相が「離脱案を12月11日に議会採決」と発言、着々と進展している感がみられる反面、スカイニュースは「バークレー離脱担当相がEU離脱合意の英議会通過は難しい、との認識を示した」と報じるなど、依然として一筋縄ではいかない状況も続いているようだ。
対して後者は、「必要ならメキシコとの国境を永久に閉鎖してもいい」、「GMの北米事業再編策に不満を表明」、「EU離脱合意が米英貿易を妨げる可能性」−−などといったトランプ氏の発言や考えが伝えられたことに続き、「対中関税を見送る可能性は低い」、「対中関税を予定通り25%に引き上げへ」といったコメントも聞かれ、思惑を呼んでいた。

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前日執筆段階では「レンジの上抜け」が微妙だったが、その後113.65円まで値を上げ、しっかりと超えてきた。これをフィボナッチで見た場合、今月のドル高値114.23円を起点とした半値戻し(113.25-30円)だけでなく、61.8%戻し(113円半ば)も突破したことになり、次なるメドは76.4%戻しの113.75-80円そして114円台回復も否定出来なくなった。以前から何度もレポートしているように、今年の相場のひとつの大きな特徴は「ダマシ」が多いことだが、素直に考えればやはりドルの続伸に注意を払いたい。

材料面と絡めて考えた場合、M&Aの手当てや年末をにらんだリパトリエーションなど様々な需給要因がタイトでドルの下支えに寄与しているようだ。ただ、昨日までは楽観論が優勢だった週末のG20会合に合わせた米中首脳会談については、先で指摘したトランプ発言を受けて幾分それが後退している。大きく崩れることはなさそうだが、それでも短期的にはドルの上値を抑制する一因になるかもしれない。

テクニカルに見た場合、先週から形成してきた112.30-113.30円程度のボックス圏を上放れてきた。また、フィボナッチの観点で見た上値メドにあたる113円半ばも超えており、ドルの続伸が期待される足形だ。114円台回復も視界内に捉えられた感がある。
なお、10月高値114.55円と今月高値114.23円を記録した前後、「移動平均200日線と実勢相場の乖離率」が4%を超えたことで「ドルは買われ過ぎ、危険ゾーン入り」と指摘したことがあるが、今回はまだ「許容範囲内」。乖離率の観点からすると、むしろ115円近くまで達しても不思議はないようだ。

一方、材料的に見た場合、9月のS&Pケースシラー住宅価格指数や11月の消費者信頼感指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による5年債入札も実施される見込みとなっている。また、クラリダFRB副議長の講演や、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁などによる討論会参加も予定されており、それらはいずれも要注意。
そのほか、対中貿易問題を中心とした様々な米国ファクターや、英国やイタリアを中心とした欧州情勢もまだまだ波乱の余地を秘めている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.00-113.90円。ドル高・円安方向は、昨日高値である113.65円が最初の抵抗。抜ければ、フィボナッチの観点からみた113.75-80円、そして114円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線が位置する113.10円前後をめぐる攻防にまず注視。割り込むようだと113円割れ、一目の雲の上限が位置する112.65-70円が意識されそうだ。

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