ドル円展望 113円台後半、20日から二段戻しに(11/27)

26日午前に113円台、26日夜にはダウが354.29ドル高と上昇したこと、下げ一服で戻していたユーロが下落した事などで27日未明高値では113.64円をつけた。

ドル円展望 113円台後半、20日から二段戻しに(11/27)

【概況】

10月の世界連鎖暴落一服から戻していた日米株価は11月8日に日経平均、NYダウ揃って戻り高値をつけて失速し、ダウの10月29日安値及び日経平均の10月26日安値に迫る下落となった。このためドル円も11月12日の戻り高値114.20円から下落に転じ、20日には112.29円まで下落、この間の下げ幅は1.91円となった。
112円割れをひとまず回避、株安がやや落ち着いたところで21日には113.14円まで戻すも感謝祭明けのNYダウが23日には178.74ドル安と下落、ドル円も112.66円まで下げた。週明けも株安不安を抱えてスタートと思われたが、日経平均が反発で開始、CMEダウ先物も上昇したために株高へ同調したリスクオン的なドル買い円売りとなって26日午前に113円台を回復、さらに26日夜にはダウが354.29ドル高と上昇したこと、下げ一服で戻していたユーロが下落した事などで27日未明高値では113.64円をつけた。

【ユーロ安、米中首脳会談接近】

NYダウと日経平均が共に10月末安値割れをひとまず回避したことで、暴落連鎖への懸念がやや後退している。
米10年債利回りは11月7日に株高債券安を背景に3.213%まで上昇してから株安債券高で23日には3.032%まで下落した。26日はやや戻したがほぼ安値圏での横ばいとなっている。米長期債利回り低下が欧州等の長期債利回りも低下させているため、長期債利回り格差では円高に傾斜しやすい状況にあるのだが、それよりも全般的なドル高感が勝っているためドル円も20日からの上昇を二段上げへと伸ばしてきたと思われる。

このドル高は11月30日のアルゼンチンにおけるG20首脳会議及びそこでの米中首脳会談で貿易戦争問題がどうなるのかという懸念がやや勝っていることが背景と思われる。
トランプ米大統領は26日のインタビューに応えて11月末の米中首脳会談が不調に終わった場合、発動済の制裁(2000億ドル規模、年末まで10%)について来年1月に予定する25%への関税率引き上げの凍結を望む中国の要求に応じる可能性はかなり低いと述べた。また交渉が進展しなければ「新たに2670億ドル規模の中国輸入品に対して追加関税を課す用意がある」「税率は10%か25%だ」などと述べている。

11月13日から20日まで上昇していたユーロドルも20日夜、23日夜と二段下げで下落し、26日夕刻へいったん戻した後の下落で安値を更新して三段下げ型へと発展しつつある。英国のEU離脱問題でEU首脳会議は離脱協定案を承認したが英国内では議会の承認が必要であり、12月11日には採決される予定だが否決の可能性もあり、まだ先行き不透明感が拭えない。また26日の11月独IFO景況指数も予想及び前月から悪化しており、23日に独及びユーロ圏のPMIが悪かったことも含めて欧州景気鈍化への懸念もユーロ安要因となっている。

ウクライナ南部クリミア半島周辺のケルチ海峡でロシア警備艇がウクライナ艦船を拿捕した問題をめぐり欧米への非難が相次いだ。英国での元ロシア情報員暗殺未遂事件も引きずっており、欧米の対ロ関係が一段と緊迫化する懸念となったことは地政学的リスクとしてドル円にとっては円高要因でもあるが、今のところはこの問題での反応は限定的だ。さらに事態が軍事緊張化してくると円高への反応も強まるかもしれない。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月21日夜高値をサイクルトップとして下落したが、20日夕安値から3日目となる23日夜安値で直近のサイクルボトムをつけて新たな強気サイクルに入った。今回の高値形成期は21日夜高値を基準として26日夜から28日夜にかけての間と想定される。既に前回サイクルトップから3日を経過しているので早ければ27日未明高値でサイクルトップをつけた可能性があるが、113.25円を上回る内は113.50円台回復から上昇再開の可能性ありとみる。113.25円割れからはいったん弱気サイクル入りと仮定して28日夜から30日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では26日午前の上昇で先行スパンを突破し、遅行スパンも好転した。27日未明高値からやや下げているため、新たな高値更新へ進めない遅行スパンが悪化しやすい状況に入る。このため113.50円以下での推移中は遅行スパン悪化を警戒し、悪化からは安値試し優先と考える。その場合は先行スパンからの転落も試すとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初の下値支持線を113.25円、上値抵抗を27日未明高値113.64円とみておく。
(2)113.25円を割り込まない内は113.64円超えから113.75円、113.85円あたりを目指す可能性ありとするが、113.75円以上は反落注意とし、その後の113.50円割れからは下落期に入りやすいとみる。
(3)113.25円割れから続落の場合は弱気サイクル入りと仮定してまず113.00円、次いで112.75円前後を試す下落を想定する。

【当面の主な予定】

11/27(火)
23:00 (米) 9月 住宅価格指数 前月比 (8月 0.3%、予想 0.4%)
23:00 (米) 9月 ケース・シラー住宅価格指数 前年同月比 (8月 5.5%、予想 5.3%)
24:00 (米) 11月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (10月 137.9、予想 135.5)
28:30 (米) カンザスシティ連銀、アトランタ連銀、シカゴ連銀総裁がパネル討論会参加

11/28(水)
ロシア、トルコ、イランがシリア情勢めぐり協議(カザフスタン・アスタナ、29日まで)
21:00 (独) 12月 GFK消費者信頼感 (11月 10.6、予想 10.5)
22:30 (米) 7-9月期GDP改定値 前期比年率 (速報値 3.5%、予想 3.5%)
24:00 (米) 10月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (9月 55.3万件、予想 58.0万件)
24:00 (米) 11月 リッチモンド連銀製造業指数 (10月 15、予想 16)
26:00 (米) パウエル米FRB議長、講演

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る