<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、ドルが揉み合い。米国市場が休場になることもあってか取引は閑散で、多くの時間帯は113円挟みでの一進一退に終始している。
ドル/円相場は、113.05円レベルで寄り付いたのち、一時上値を試す展開となり113.20円台へ。しかし、買いは続かず112円台に押し戻されると、その後は113円挟みの推移となった。NYが休場となるだけでなく、東京勢も明日からの3連休を前に手控えムードが強く、積極的な売買は見送られ、途中からは112.95-05円程度の凪商状を観測している。16時時点では、寄り付きに近い113.00-05円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「ゴーン日産会長逮捕」について。
「仏財務相が世耕経産相と22日に会談、ゴーン氏の推定無罪を尊重」と報じられるなか、毎日新聞は「日産、ルノーと提携見直し検討」、産経新聞は「『法人の責任』、刑事に加え民事も」などと報じ、日仏にわたる経済問題への発展が懸念されていたようだ。
そのほか、単発的なものとして、米紙NYタイムズ「米検察、『北朝鮮の資金洗浄疑惑』で三菱UFJ銀を調査」、英紙FT「G20声明草案から『保護主義と闘う』の文言削除」、聯合ニュース「北問題めぐる米韓作業部会、隔週の会議定例化へ」−−といった報道が観測されており、それぞれ思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
一昨日にクローズベースで500ドル以上下落したNYダウだが、昨日は0.95ドル安とほぼ横ばい推移。引けはあまり良くなかったものの、それでも大幅続落を免れたことが一段のドル安に歯止めをかけた。引き続き、米株や金利の動きには注意を要するが、連日指摘してきたようにクリスマス・年末モードへと市場が突入するなか、いわゆるリパトリエーションや、M&Aにともなう手当てなど需給要因はタイト、しばらくはドルの下値を支えそうだ。
材料面で見た場合、月末にG20会合に合わせた米中首脳会談を控えるなか、貿易問題への警戒感がジワリと高まってきた感もある。たとえば、昨日はライトハイザー米通商代表部代表が、「3月の対中制裁関税の発動決定後も、知的財産権侵害などの市場歪曲的な行動や政策を根本から改めようとしていない」と非難していた。状況如何で、相場の波乱要因に。また、それらとは別に英国やイタリアを中心とした欧州情勢にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、20日の112.30円を目先安値に、足もとはドルが小じっかり。113円台まで小戻してきた。ドルの下値不安が完全に払しょくされたわけではないが、一目均衡表では一時埋没していた先行帯の雲の上限(本日112.80-85円に位置)を回復するなど、目先のリスクはやや軽減された様だ。同レベルをサポートに、ドルは目先底堅く推移する可能性もある。
一方、材料的に見た場合、本日は感謝祭でNYの金融市場が休場のため、米国に関する目立った材料は見当たらない。要人の講演なども、特段予定されていない状況だ。
ただ、欧州においてはECBによる議事要旨公表(10月25日分)や、メルシュECB理事の講演が予定されているほか、継続案件として英国やイタリアなどを中心とした欧州情勢には引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.70-113.50円。ドル高・円安方向は、東京高値である113.20-25円が最初の抵抗。近いレベルには一目均衡表の転換線も位置している。抜ければ、前回高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる113円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日NYクローズベースでは回復してきた一目の雲の上限が位置する112.80-85円をめぐる攻防にまず注視。再び割り込むようだと、移動平均の75日線などが位置する112.30円レベルが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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