ドル円 下げ一服だが113円台序盤に抵抗感(11/22)

21日夜に113.14円まで戻し、22日朝も若干高値を切り上げたが、その後は新たな高値更新へ進めずに113円台序盤では上値が重い印象もある。

ドル円 下げ一服だが113円台序盤に抵抗感(11/22)

【概況】

11月12日高値114.20円から20日安値112.29円まで6日間の下落だったが、20日深夜からは戻しており、下げ一服感が出ている。21日夜には113.14円まで戻し、22日朝も若干高値を切り上げたが、その後は新たな高値更新へ進めずに113円台序盤では上値が重い印象もある。
11月12日からの下落は株安と同調したもので、特にNYダウは19日に395.78ドル、20日に551.80ドル、合わせて900ドルを超える大幅安で10月序盤からの世界連鎖株安でつけた10月29日安値に対して余裕のないところまで下げたが、21日は下げ一服でほぼ横ばいにとどまっている。日経平均も21日安値で21243.38円の安値を付けて10月26日安値20971.93円に迫ったが、ひとまず底割れを回避している。

株安一服によりドル円も戻したという状況にある。11月12日高値20日にかけての下げ幅は1.91円安であり、まだ10月26日安値を割り込まずに8月21日からの底上げパターンは維持している。しかし日経平均、ダウともに10月末の安値に対する余裕は乏しく、米中通商摩擦問題のみ解決と月末の首脳会談への期待感が薄い状況にあること、これまでのやや過剰で楽観的だった市場心理が冷めてきているためドル円も簡単には上昇再開感を取り戻せないのではないかと懸念される。

米経済指標はまちまち。10月の米耐久財受注は前月比4.4%減となり市場予想の2.5%減を下回る大幅な悪化だった。また米労働省が発表した週間の新規失業保険申請は22万4000件となり前週比3000件増加して市場予想の21万5000件を上回った。
米民間調査会社コンファレンス・ボードが発表した10月の景気先行指数は前月比0.1%上昇したが、市場予想と一致し、9月が0.6%上昇、8月が0.5%上昇とそれぞれ上方修正された。
米ミシガン大の11月消費者信頼感指数確報値は97.5となり速報値の98.3から下方修正され、市場予想の98.3、前月の98.6を下回った。
10月の米中古住宅販売件数は季節調整済み年換算で前月比1.4%増の522万戸と7カ月ぶりのプラスで市場予想520万戸も上回った。
22日は米国市場が感謝祭で休場。23日は東京が祝日となるため動意の薄い状況と思われる。

【ダブルトップか三角持ち合いか】

10月4日高値に対して11月12日高値は切り下がりとなった。11月20日安値までの下落では10月26日安値を割り込んでいない。高値切り下がりで安値も今のところは切り上がりのため、11月20日安値を割り込まないうちは10月4日高値以降をレンジ縮小型の三角持ち合いとし、持ち合い上放れによる一段高へ進む可能性が残る。
11月20日安値を割り込む場合は10月26日安値試しとなり、底割れの場合は三角持ち合い下放れ及び10月4日高値と11月12日高値によるダブルトップ形成からの下落に入ると考えられる。その場合は8月21日以降の底値切り上げパターンが崩れ、3月26日からの上昇トレンドからも転落し、かつ5月29日と8月21日及び10月26日を支えた104日移動平均で下げ止まれずに転落する様相となってゆくため、円高が本格化する可能性が懸念される。

週末にかけては米感謝祭と東京祝日により決定的な動きにはなり難いが、週明けからは祝日明けの動意も加わって大きく動き出しやすくなるため、11月最終週は三角持ち合いを維持して上昇再開感を強めるか、ダブル天井感が強まるのか、重要な分岐点になるのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは11月15日未明への下落で13日午前安値を割り込んで弱気サイクル入りしていたが、20日夜安値から0.50円以上の反発となったために21日朝時点では20日夜安値で直近のサイクルボトムを付けた可能性があるとし、23日朝までにかけての間へ戻り高値を試す余地があるとした。113円台序盤では上値が重いが、112.75円を上回るうちは上昇余地ありとし、112.75円割れから続落の場合は弱気サイクル入りとして次の安値形成期となる23日夜から27日夜にかけての間への下落へ進みやすくなると考える。

60分足の一目均衡表では21日未明への上昇で遅行スパンが好転、21日夜の上昇で先行スパンも上抜いている。22日朝時点では両スパンそろって好転状態を維持しているが、新たな高値更新へ進めないと遅行スパンは悪化しやすい位置にある。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、悪化するところから弱気転換注意とし、先行スパン転落からは弱気サイクル入りと仮定して遅行スパン悪化中の安値試し優先と考える。

60分足の相対力指数は21日夜の高値形成時に70ポイントを超え、その後は相場がほぼ横ばい推移のなかで指数は切り下がった状況にある。50ポイント台を維持するうちは上昇余地ありとするが、50ポイント割れからは下げ再開を警戒して30ポイント台へ向かいやすくなるとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、21日深夜安値112.85円、次いで112.75円を支持線、113.20円を抵抗線とみておく。
(2)112.85円を上回るうちは113.20円超えからの一段高で113.35円から113.50円にかけてのゾーンを試す可能性ありとするが、そのゾーンは戻り売りに崩されやすいと注意し、その後の113円割れからは下げ再開を警戒する。
(3)112.85円割れを弱気転換注意、112.75円割れからは弱気サイクル入りと仮定して112.50円前後試しへ向かうとみる。また112.70円以下での推移中は23日、週明けにかけて安値を試しやすい状況が続くとみる。

【当面の主な予定】

11/22(木)
休場 米国 感謝祭(外為、債券、株式、商品休場)
未 定 (南) 南アフリカ準備銀行 政策金利 (現行 6.50%、予想 6.75%)
08:30 (日) 10月 全国消費者物価指数 前年同月比 (9月 1.2%、予想 1.4%)
08:30 (日) 10月 全国消費者物価コア指数 前年同月比 (9月 1.0%、予想 1.0%)
21:30 (欧) 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
24:00 (欧) 11月 消費者信頼感・速報値 (10月 -2.7、予想 -3.0)
26:00 (欧) メルシュECB理事、講演

11/23(金)
休場 日本
16:00 (独) 7-9月期GDP、改定値 前期比 (速報 -0.2%、予想 -0.2%)
16:00 (独) 7-9月期GDP、改定値 前年同期比 (速報 1.1%、予想 1.1%)
17:30 (独) 11月 製造業PMI、速報値 (10月 52.2、予想 52.2)
17:30 (独) 11月 サービス業PMI、速報値 (10月 54.7、予想 54.5)
18:00 (欧) 11月 製造業PMI、速報値 (10月 52.0、予想 52.0)
18:00 (欧) 11月 サービス業PMI、速報値 (10月 53.7、予想 53.6)
21:00 (欧) デギンドスECB副総裁、講演

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