<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場で、ドルは底堅い値動き。上値も重く113円台を回復することはなかったが、112円台後半で強保ち合いをたどっている。
ドル/円相場は、112.70-75円で寄り付いたのち、日中安値の112.65円レベルを示現した。しかし日経平均など株価の動きをにらみつつ切り返すと、以降はドルが小じっかり。113円台にはとどかなかったが、112.90-95円まで値を上げたのちは、高値圏での一進一退となった。16時時点では、112.80-85円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか一部の仮想通貨は本日も荒れ模様。ビットコインは4500ドル台を中心とした安定推移だったが、ビットコインキャッシュは早朝の370ドル前後から、一時250ドルレベルまで大きく値を崩していた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「ゴーン日産会長逮捕」と「複合的な米国ファクター」について。
前者は、「日仏経産相が電話会談、日産ルノー連合の維持支援を確認」と報じられるなか、共同通信は「日産、22日にゴーン会長解任へ」、朝日新聞は「ゴーン氏逮捕事件、法人としての日産も立件へ」と報じ、事件の拡大が懸念されていた。また、米紙WSJは「ゴーン・ショック、試されるアベノミクス第3の矢」との論調を報じていたようだ。
対して後者は、「米民主党、イバンカ氏の私用メール問題を追及へ」、「トランプ氏、サウジ皇太子めぐる疑惑に否定的な見解」といったニュースが伝えられたほか、「顧問弁護士、トランプ氏がロシア疑惑に書面回答」、「米大統領が金利は高過ぎる、とFRBを批判」「トランプ政権、国境地帯派遣の集団移民対策の米軍を順次縮小か」−−などという報道が相次いでいる。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日はクローズベースでNYダウが500ドル以上、米ナスダックも100ドル超の下げを記録するなど、米株の下値リスクが再び顕在化した感を否めない。ただ、為替との相関性はというと、米株が大きく値を下げたにもかかわらず、ドル/円は比較的底堅いイメージだ。それには、需給要因が関係しているとの指摘も聞かれている。22日に米感謝祭を迎え、いよいよクリスマス・年末モードへと突入する状況下、いわゆるリパトリエーションや、M&Aにともなう手当てなど需給要因はタイト。引き続きドルの支援要因になるといった指摘も少なくない。
材料面で見た場合、今年も残り1ヵ月強となるなか、貿易問題を中心として注目の米国ファクターは目白押しの状況。それらの続報などに要注意だろう。また、英国やイタリアを中心とした欧州情勢には注意が必要で、とくに本日は「欧州委員会が、2019年予算案をめぐり制裁に向けた第1段階に入る」とされるイタリアの動きを注視しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドルの下値リスクはくすぶるものの、目先高値114.23円から2円程度のドル下押しが入ったこともあり、下落の第一ラウンドは終了か。目先はレンジ取引になるといった予想も。ちなみに、日足の一目均衡表の先行帯の雲は本日、112.15-85円といったレベルに位置。つまりは一目の雲の中、112円台を中心とした一進一退をたどる可能性もある。
一方、材料的に見た場合、10月の耐久財受注や11月のミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標が発表されるほか、金利の発表はないもののECB理事会が実施される見込みだ。それらは一応要注意。
また、英国やイタリアなどの欧州情勢、22日の米感謝祭を前にした駆け込み的な為替手当てといった需給要因も気掛かりではある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.40-113.40円。ドル高・円安方向は、東京時間に越えられなかった113円レベルが最初の抵抗。その少し上、113.25-30円には一目の転換線が位置しており、抜ければターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本稿執筆時に推移している一目の雲の上限が位置する112.85円レベルをめぐる攻防にまず注視。しっかり割り込むようだと、昨日示現したドル安値112.30円レベルが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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