<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、ドルが強保ち合い。113円台後半を中心とした動きで底堅かったが、上値も重く、先日示現したドル戻り高値の更新はならなかった。
ドル/円相場は、113円半ばで寄り付いたのち、緩やかな右肩上がり。寄り付きから堅調だった日経平均株価がさらに上値を伸ばし、クローズベースでは400円を超える上昇をたどったことなども材料視されていたという。
ドルは113.70-75円まで値を上げ、昨日記録した戻り高値113.82円に接近したが超えられず。その後は113.60-75円といったドル高値圏で保ち合いとなり、16時時点では113.60-65円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「中間選挙を受けた米国情勢」について。
トランプ大統領から「外国との通商交渉に力を入れる考え」や「民主党との協力を目指す方針」、「米朝再会談は来年早々」といった方針が次々聞かれるなか、内閣改造の一環か「セッションズ司法長官を事実上の更迭」といった報道も聞かれていた。なお、そうしたなか対日貿易問題と絡めて、トランプ氏は「日本は米国をとても不公正に扱ってきた」と発言していたようだ。
また、それらとは別に「トランプ氏、9日から訪仏しロシア大統領と昼食会で顔合わせ」、「米仏首脳が10日に会談、イランやシリア情勢を協議」といった目先の外交スケジュールが明らかになっている。
<< 欧米市場の見通し >>
リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかるものの、時間足など短期ベースでは2度113.80円前後で上げ止まっており、予想以上に強い抵抗として寄与している感も否めない。昨日レポートしたように、1990年以降前回まで過去7回について、「米中間選挙とドル/円相場」を振り返ると、1ヵ月程度のスパンであれば選挙結果如何にかかわらず6回がドル高・円安に振れていたことを考えると、今回も時間をかけて上抜けていく公算が大きいのだろうが、短期的にドルはやや上げ渋り。足もとは113円台を中心とした強保ち合いをたどる可能性も否定出来ない気がしている。
材料面で見た場合、中間選挙を受けたトランプ氏の政権運営方法が注視されているようだ。前述したように、その一端については示されたものの、具体的なところは不明な点も少なくない。また、本日はFOMCの結果が公表される予定だが、以前からトランプ氏が利上げ継続ムードに事実上の圧力をかけていたことで、「米金利見通し」に変化があるのかどうかといった点も注目されている。
テクニカルに見た場合、前回のドル高値114.55円を起点としたフィボナッチ76.4%戻しにほぼ合致する113.80-85円を高値にやや上げ渋りの様相。基調そのものはドル高にバイアスで抜ければ114円台乗せ、そして年初来高値の114.55円などがターゲットとなりそうだが、ドルの上値はやや重い状況が続く可能性もある。
なお、ドルの下値は底堅いイメージだが、113円レベルを「しっかり」下回ると、大きく続落。予想以上の深押しが入る展開にも一応の注意を払いたい。
一方、材料的に見た場合、本日も幾つかの米経済指標が発表されるものの、いずれも小粒。よほどのことがない限り、基本的にはノーインパクトか。ただ、FOMCによる声明発表が予定されており、そちらについては要注意だ。12月の米利上げはもはや既定路線となっているが、問題は来年以降について。やや弱気なトーンなどが示されるようだと、失望のドル売りが進行しても不思議はないだろう。
そのほか、依然として様相が混沌としている「英国」のほか、キナ臭さ漂うイタリアやドイツなどの欧州情勢にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.10-114.10円。ドル高・円安方向は、短期間で少なくとも2度トライして抜けられなかった113.80円前後が最初の抵抗に。抜ければ114円や、年初来高値の114.55円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、113.40-50円に弱いサポートが位置しており、まずは同レベルの攻防に注視。割り込むようだと、113円前後が視界内に捉えられるが、それより下の水準まで急落するような展開は見込みにくそう。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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