<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、上下に大きく振れる荒れ模様の相場付き。一時は114円に迫るドル高進行を見せたが、終わって見れば「行って来い」。上げ幅をすべて吐き出している。
ドル/円相場は、113.35-40円で寄り付いたのち、当初はドル売りが先行。113円を割り込んだものの、定着できずに反発へと転じると一気に113円台後半へ。113.80-85円まで1円近い戻りをみせた。
しかし、ドルの上値も重く、こちらも定着せずに反落へと転じると夕方にかけては113.10円まで軟落している。上下に激しくジェットコースター相場をたどるなか、16時時点では113.20-25円で推移し、欧米時間を迎えていた。
材料的に注視されていたのは、「米中間選挙」に関する話題について。
米ホワイトハウスが「トランプ大統領は開票結果を楽しみにしている」などした声明を発表するなか、中間選挙の結果が徐々に明らかに。伝えられる選挙結果に一喜一憂したものの、昼過ぎにNBCなどが「民主党が下院で過半数奪回」と報じ、トランプ政権の政策運営が難しくなるとの見方が広がった。ドル/円でいえば113.80-85円から113.10円までドルが値を下げた原動力に。
そのほかでは、いわゆる「徴用工問題」を背景した日韓の亀裂深刻化や、布野日銀委員が講演で「当分のあいだ、強力な金融緩和を緩めることはない」と発言したことなども話題となっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
本日東京時間に、一時113.80-85円まで上昇するも続かず、113円前半まで押し戻されての推移となっている。また、フィボナッチで見たテクニカルポイントで上げ止まったことも気掛かりだが、リスクという点ではドル高方向にバイアスか。東京高値をしっかりと上抜ければ、114円台回復がみえてくる。なお、1990年以降前回まで過去7回について、「米中間選挙とドル/円相場」を調べてみたところ、1ヵ月程度のスパンであれば、選挙結果如何にかかわらず6回までがドル高・円安に振れていた。今回も、ドルはどこかで底入れをしたのち、再びドル高に向かう可能性もある。
材料面で見た場合、まだしばらくは米中間選挙についての余韻が残りそうだが、徐々にほかの要因がクローズアップされることになりそう。その際、もっとも注目なのはやはり対中国を中心とした米貿易問題か。「米民主党が下院で過半数奪回」という結果を受けて、トランプ氏がどういった次の一手を打ってくるのか予断を許さない。
テクニカルに見た場合、東京時間に113.80-85円までドルは上昇したものの、超えられず。ちなみに、同レベルは前回のドル高値114.55円を起点としたフィボナッチ76.4%戻しにほぼ合致する。ちょうどいいレベルで止まってしまったことは気になるが、リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかりそう。しっかり超えれば114円台乗せ、そして前回高値の114.55円などがターゲットとなりそうだ。
対するドルのサポートは、東京安値の112.95円レベル。近い水準まで一目均衡表の先行帯の雲の上限が切り上がってきており、攻防が注視されている。
一方、材料的に見た場合、幾つかの米経済指標が発表されるものの、いずれも小粒で基本的にはノーインパクトにとどまりそうだ。ただ、米財務省による30年債の入札が実施される予定で、そちらには一応要注意。
そのほか、余韻の残りそうな「米中間選挙」に関する報道や、選挙後にトランプ氏が実施すると述べていた「内閣改造人事」が注視されている。また、依然として様相が混沌としている「英国情勢」にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.60-113.70円。ドル高・円安方向は、113円半ばに弱い抵抗が位置しており、抜ければ東京高値の113.80-85円や114円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値かつ、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する112.95円レベルの攻防にまずは注視。割り込むようだと、移動平均の25日線が位置する112.70円前後などが視界内に捉えられそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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