ドル続伸に期待かかるも、米中間選挙待ちか
6日の東京市場は、ドルがしっかり。値幅そのものは限定的だったが、「寄り付き安・大引け高」の展開で、値動き以上にドルの強さが目に付いた。
ドル/円相場は、寄り付いた113.15円レベルを日中安値にじり高推移。夕方には、直近の戻り高値を超え113.45円前後まで上値を伸ばしている。前日比119円高で寄り付いた日経平均株価が続伸、大引けベースで248円高となったことなどが好感された面もあったという。16時時点でも、ドルは日中最高値圏の113.40円台を維持したまま、欧米時間を迎えていた。
なお、円は対ランドやトルコリラなど一部を除く、主要通貨に対してほぼ全面安の様相。たとえばポンド/円は、EU離脱に関する報道や発言が飛び交うなか、東京だけで一時70ポイント程度となかなかの上昇をたどっている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国ファクター」と「米中貿易問題」について。
前者は、グレン英担当相から「EU離脱後の金融サービスめぐる合意取りまとめを確信している」との発言が聞かれたうえ、英紙タイムズが「EUが国境問題で妥協案提案へ」と報じ、ポンドの買い要因に。しかし、ブルームバーグによる「英首相、EU離脱の新たな選択肢を閣僚に6日提示」との報道に続き、英紙サンが「英閣僚、アイルランド問題で譲歩は不要と主張へ」と報じ、二転三転する状況に参加者は振り回される格好となった。
対する後者は、トランプ米大統領による「米中通商問題が公正なら合意を排除せず」との発言が聞かれたほか、「米中、外交・安保対話を11月9日に開催」と伝えられ、一部で思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
それまでのレンジ上限113円を超えたのち、新たに形成していたレンジの上限である113.30-40円を本日の東京時間に超えてきた。まだ微妙な面は残るものの、時間足などをみるとここ2-3日で、少なく見積もっても3回はレンジブレークに失敗している水準をようやく抜けただけに、ドルの続伸に期待がかかりそうだ。ちなみに、上抜けたことで、テクニカルに見た次のターゲットは113.80円、あるいは114円などとなる。
材料面で見た場合、目先はついに投票が開始された米中間選挙への関心がともかく高い。そんな中間選挙は、東京時間の7日午前から少しずつ速報ベースで伝えられ、早ければ昼過ぎにも大勢が判明する可能性もあるという。選挙結果をにらみつつ、目先は思惑が交錯した値動きが続きそうだ。
テクニカルに見た場合、ここ数日形成している感のあった112.50-113.40円といった「新レンジ」の上限を本日の東京時間にわずかながら超えてきた。ドルの続伸を期待したいが、再三再四指摘しているように今年の相場はダマシが多いうえ、まだ「しっかり」と超えられていないことは若干気掛かり。ただ、ドルの次の抵抗である113.80円レベルを超えると、そのまま114円台乗せが視界内に捉えられそうだ。
一方、材料的に見た場合、幾つかの米経済指標が発表されるものの、いずれも小粒でマーケットの関心もさほど高くない。そのため基本的にはノーインパクトにとどまるとの見方が有力だ。ただ、米財務省による10年債の入札が実施されるほか、クーレECB理事など欧州当局者の講演が複数予定されており、それらの内容には注意を払いたい。
そのほかでは、前述した「米中間選挙」に関する報道や、様相がいまだ混沌としつつある「英国情勢」にも要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.90-113.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である113.45円レベルが最初の抵抗。上抜ければ、フィボナッチターゲットの113.80円や114円前後などが視界内に。
対するドル安・円高方向は、113.05-10円や一目均衡表の基準線が位置する112.95-00円など取り敢えずの下値メド。今週に入ってから一度も113円台を割り込んでいないだけに、その攻防も注視されている。割り込むようだと、前日に続き112.60-65円に位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限がターゲットとなりそうだ。(了)
ドル円日足
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