豪州中銀・金融政策決定会合要旨
豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)
(中銀の委員会要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。
世界経済の拡大は続いている。幾つかの先進国では平均トレンド以上の成長を見せ、失業率は低下している。中国経済の成長は幾分下がった。当局は緩和政策を採る一方で、金融市場のリスクや安定的な成長に目を配っている。原油価格の高騰や幾つかの国で賃金が上昇しているけれども、世界的なインフレは低いままとなっている。但し、米国含め、労働市場がタイトになりインフレ上昇が見込まれる。先行きの見通しで不確実性の1つに、米国の世界貿易政策の方向性に関するものがある。
幾つかの国では徐々に引き締めている状況もあるが、先進国経済の金融状況はまだ緩和的である。株価は下がり、国債のイールドは幾つかの先進国では上昇した。それでも金利はまだ低い状態にいる。今年は米国ドルが世界的に高くなった。豪州では、市中金利は年初から上がったが、最近下がった。標準的な不動産金利は2〜3ヶ月前より僅かに上がっているが、住宅の新規借入者への利率は一般的に既存ローン者よりも低い。
豪州経済は良い状態にいる。過去1年を見ると、GDPは3.4%まで上がり、失業率は5%以下になった。これは6年間で最低である。2018年と2019年の成長見通しは幾分上方修正した。GDPの先行き見通しの中間値は3.5%で、2020年には資源輸出の伸び鈍化で下がると予想している。企業の状態は良好で、非鉱山関連企業投資は拡大の見込みである。高水準の公共インフラ投資の水準が続き、資源輸出の拡大と共に経済を下支えしている。不確実性の1つが家計消費である。家計収入の伸びは依然低く、債務は高い。幾つかの資産価格は下がった。また干ばつが農業部門セクターに難しい状況を持ち込んでいる。
豪州の貿易は過去2年で増加し、当初予想よりも強い伸びを示している。これは国富の伸びを手助けしている。交易条件は幾分下がっていくと見られる一方で、相対的には高い水準を維持するだろう。豪ドルは依然として過去2年間でレンジ内の取引であるが、最近はレンジ下限で推移している。
労働市場の先行きはポジティブである。経済がトレンド以上の伸びを示す一方で、失業率の一段の低下が見込まれ、2020年には4.75%になると予想している。求人率は高く、幾つかの分野では専門技術をもった人が不足している。若干改善しているとはいえ、賃金の伸びは低い。経済の好転により賃金の伸びが大きくなるべきと考えているが、まだ伸びが緩やかである。
インフレは低く、安定的である。過去1年で、CPIインフレは1.9%で、インフレは1.75%だった。これらの結果は中銀見通し沿ったもので、政府の政策変更により、ある分野の公共料金が下がった影響である。インフレは今後2年間で次第に上昇し、徐々に上がっていくとみている。中銀のシナリオでは、2019年までにインフレは2.25%、翌年にはもう少し上昇すると予想している。
シドニーやメルボルンの住宅市場は引き続き緩和している。全国的にみても貸家インフレは低いままである。(以下住宅関連は略)
低水準の金利は豪州経済を支えている。更なる失業率の低下やインフレが目標値内に回帰すると予想しているが、この進展度合いはゆっくりとしたものになる。現状取り得る情報をベースにすると、委員会は今回の会合で金利を現状のまま据え置くことを判断した。これにより、持続的経済成長を促し、インフレの目標値達成に寄与するだろう。
(要旨以上)
(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
要旨内容は前回10月とほとんど変わりませんでした。
若干の違いは、@この期間で株価が下がったこと、A豪州GDPの伸びを上方修正したこと位です。これが生じても金利の見方を変えてはおらず、政策金利はこのままを維持する方向は全く変わっていません。
為替もほとんど動いておらず、まだ0.6940〜0.7230米ドルの豪ドル安トレンドラインの上限をギリギリで守っています。今日はシカゴポジションの締日で動けないと思われますが、明日の米中間選挙の行方が注目される中で、今日の海外市場でポジション調整の豪ドル買い戻しが出てきてもおかしくない状況にはいます。海外市場でどの様な動きになるか注目しましょう。
(11月6日14時00分、1豪ドル=0.7212米ドル)
尚、次回金融政策会合は2018年12月4日(火曜日)に予定されています。
オーダー/ポジション状況
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