ドル円18日高値を超え15日からの上昇は二段目(10/23)

先週末の19日段階では18日の戻り高値112.72円を超えられなかったが、週明けは上海総合株価指数が週末からの大幅連騰となったために

ドル円18日高値を超え15日からの上昇は二段目(10/23)

ドル円18日高値を超え15日からの上昇は二段目

【概況】

先週末の19日段階では18日の戻り高値112.72円を超えられなかったが、週明けは上海総合株価指数が週末からの大幅連騰となったために下落開始していた日経平均もプラス圏へ持ち直したことを好感して夕刻には18日高値を更新、夜間で112.88円まで高値を伸ばした。22日深夜以降は米国株式市場がすっきりしない動きのままだったこと、ユーロとポンドが下落したことはドル高だったもののユーロ円とポンド円での円高の影響もあって113円台へは進めずに終わった。

【海外の動き】

先週末に発表された中国の7-9月GDPが前年同期比6.5%増に鈍化、市場予想の6.6%増及び4-6月の6.7%を下回ったために上海総合株価指数は19日午前に年初来安値及び4年ぶり安値をつけたが、中国当局のテコ入れ期待に反騰し、週明けも大幅続伸した。中国人民銀行や証券監督管理委員会等が共同で市場支援を表明、習近平国家主席も民間セクターへの揺るぎない支援を表明した。これらを背景に当局の景気対策期待で上海株が連騰した。ただ、ドル人民元はこの間の高値を更新してドル高元安が進んでいる。具体的な景気対策・株価対策を打ち出せるかどうか注目だが、市場の失望を買うと上海発の世界連鎖株安再開となりかねない不安も残る。

イタリア財政や英国のEU離脱問題での楽観的見方が強まって22日の日中はユーロやポンドが上昇したが、夜間は揃って反落している。
英国のEU離脱をめぐって、メイ政権に閣外協力している北アイルランド地域政党の民主統一党(DUP)が与党・保守党内のEU懐疑派が提出している法改正案に協力する姿勢を示したことがきっかけで離脱問題での混乱懸念が再燃した。イタリア財政問題はまだ決着していない。

NYダウは126.93ドル(0.5%)安、ナスダック総合指数は0.3%高とまちまち。米10年債利回りは10月9日には3.26%をつけて7年振り高水準だったが、株安による債券買いでいったん下落、FOMC議事録公開からはジリ高で推移し19日は3.20%、22日は3.19%で高止まり。

サウジアラビアは23日から3日間、「未来投資イニシアチブ」(砂漠のダボス会議)を予定しているが、サウジ反体制ジャーナリスト殺害事件により欧米高官、企業トップの結石が相次いでいる。サウジ政府系ファンドという世界最大級の投資マネーに依存する金融機関、投資グループも多いため、この問題によりサウジと投資マネーの関係性が悪化すると株式市場全般に負の影響を与えかねない。米中貿易戦争問題に加えての新たな金融市場全般における火種となっている。

【10月4日から15日への下落幅の半値戻しに届かず】

10月15日安値からは18日へ一段目、NYダウが反落した19日未明に112円をいったん割り込んだが切り返して戻り高値を切り上げたために、現状は二段目の上昇に入ったところにある。下げ相場においては、例えば下落一服で戻す場合には小勢(60分足レベル)の二段戻しで終わるケースもあり、それが三段上げへと発展するとリバウンドのレベルを超えた上昇波動の形成へ進む可能性が高まる。現状の二段戻りで113円手前の水準にあるが、10月4日からの下落に対する半値戻しは113.08円であり、113円手前から失速するようだと半値戻しに届かずに小勢二段で戻り一巡となって下げ再開へ向かう可能性への懸念が高まると思う。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは10月19日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして23日から25日にかけての間への上昇を想定した。また19日未明安値割れからは底割れによる新たな弱気サイクル入りとした。22日夜へ戻り高値を切り上げたが113円に届かずに23日午前はやや失速している。112.50円を割り込んでも切り返す内は上昇余地ありとするが、112.50円割れを切り返せずに112.30円割れへと続落する場合は弱気サイクル入りの可能性を優先して19日未明安値試しとし、さらに底割れからは24日未明から26日未明にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では遅行スパンが好転、先行スパンを上回った状況を維持しているが、高値切り上げへ進めないと遅行スパンは悪化しやすい位置にある。先行スパンからの転落回避中は一時的に遅行スパンが悪化しても再び好転するところからは上昇再開余地ありとするが、先行スパン転落からは弱気転換注意とし安値試し優先へ切り替える。

 以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、112.50円、次いで112.30円を支持線とし、22日夜高値112.88円を抵抗線とみる。
(2)112.50円割れを切り返す内は112.88円超えから113円台序盤試しを想定するが、113円到達ではいったん売られやすいとみる。
(3)112.50円割れを弱気転換注意、112.30円割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先して19日未明安値111.96円試しを想定する。112円前後では押し目買いも入りやすいかもしれないが、株安連鎖やリスク回避感が強まって19日未明安値割れの場合は24日以降へと下落継続しやすくなるとみる。(了)<9:40執筆>

【当面の主な予定】

10/23(火)
休 場 (タイ) チュラロンコーン大王祭
15:00 (独) 9月 生産者物価指数 前月比 (8月 0.3%、予想 0.3%)
23:00 (米) 10月 リッチモンド連銀製造業指数 (9月 29、予想 24)
22:30 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、会合挨拶
23:00 (欧) 10月 消費者信頼感・速報値 (9月 -2.9、予想 -3.2)
24:20 (英) カーニー英中銀総裁、講演
26:30 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
27:15 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、講演

10/24(水)
14:00 (日) 8月 景気先行指数(CI)・改定値 (速報 104.4)
16:30 (独) 10月 製造業PMI、速報値 (9月 53.7、予想 53.5)
16:30 (独) 10月 サービス業PMI、速報値 (9月 55.9、予想 55.5)
17:00 (欧) 10月 製造業PMI、速報値 (9月 53.2、予想 53.0)
17:00 (欧) 10月 サービス業PMI、速報値 (9月 54.7、予想 54.5)
22:00 (米) 8月 住宅価格指数 前月比 (7月 0.2%、予想 0.3%)
23:00 (加) カナダ銀行(BOC) 政策金利 (現行 1.50%、予想 1.75%)
23:00 (米) 9月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (8月 62.9万件、予想 62.5万件)
23:00 (米) 9月 新築住宅販売件数 前月比 (8月 3.5%、予想 -0.6%)
26:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
26:10 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

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