<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場は、ドル高・円安。それも、「早朝安・大引け高」の展開で、値幅は決して大きくなかったもののドルの強さが目に付いた。
ドル/円相場は、寄り付いた112.10-15円を日中安値にドルがじり高推移。前日の米株が大幅続落となった流れを受け、日経平均株価も冴えない。米株同様に続落し、大引けベースで126円安となったものの、一時は400円以上値を下げていたことから、むしろ持ち直しのイメージが強く為替市場においては逆に円売り要因に。
株価の買い戻しに合わせて、ドルもジリジリと買い進められると、夕方には日中高値である112.50-55円を記録。16時時点でもドルは112.40円台の高値圏をキープしたまま、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「サウジ問題」について。
いわゆる「トルコにおける記者失踪事件」について、トランプ米大統領は「残念だが死亡の公算大」と発言したうえ、かばい続けてきたムハマド皇太子を含めサウジに厳しい対応に動く可能性を示している。また、ポンペオ米国務長官が「サウジに徹底した調査実施を表明」するなど、問題の広がり、米サウジの関係悪化などがジワリと懸念されていた。
そのほか、共同通信による「日朝情報当局、今月上旬に極秘接触」、WSJ紙「OPEC、内部資料で目先の原油一段安を懸念」といった報道や、麻生財務相による「日本の為替政策、米為替報告書に制約されるものでない」との発言などが思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ここ1週間ほど推移していた111.60-112.50円というレンジを一時上抜け、112.70円台まで達したものの息切れ。結局、元のレンジに回帰している。一時111.63円まで下落したような、ドルの下値不安はかなり和らいでいるものの、上値も重そうだ。昨日もレポートした、今年によくみられる光景の「形成レンジを若干広げただけで元の木阿弥、再びレンジ取引入り」−−が現実味を帯びてきた感を否めない。
材料面では、米中間選挙を控えて引き続き貿易問題についての懸念がくすぶるものの、「米為替報告書」も発表されたことで、目先は小康か。ただ、一難去ってまた一難、今度は「トルコにおける記者失踪事件」など新たな懸念材料が台頭してきた。続報には引き続き注意を払いたい。また、イタリアの財政問題や英国のEU離脱問題をはじめ、問題点が山積みの欧州情勢にも要注意だ。
テクニカルに見た場合、過去1週間ほどのレンジ上限である112.50円を一時上抜けたものの、値が走らず。今度は111.60-112.75円といった新レンジを形成している感がうかがえる。
いずれにしても、足もとの注目ポイントは前述したレンジを上下どちらにブレークしていくか。上方向、目先高値の112.70-75円を超えれば、移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する112.80-85円、あるいは直近高値114.55円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻し113.05円レベルがターゲットに。逆に下放れれば、111円割れに向けた続落も否定できない。
一方、材料的に見た場合、9月の中古住宅販売件数など米経済指標が幾つか発表されるほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁による討論会参加や、カプラン・ダラス連銀総裁の講演などが実施される見込みだ。それらには一応要注意。
そのほかでは、欧州情勢や貿易問題を中心とした様々な米国ファクターなどにも注意を払いたい。先物取引では小反発に転じていた米株が再び崩れるようだと、為替市場はリスク回避の動きが再度強まっても不思議はないだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.90-112.90円。ドル高・円安方向は、前回高値の112.70-75円が最初の抵抗。上抜ければ112.80-85円や113.05円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日も下げ止まった112円前後の攻防にまずは注視。ただ、割り込めば移動平均の75日線が位置する111.80-85円や、直近安値111.63円などが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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