ドル円日米貿易摩擦再燃、リスクは円高に!?(9/7夕)

7日の東京市場は、終わってみれば「行って来い」。当初はドル売りが目立ったが、途中で買い戻しが入ると、終盤にかけては寄り付き近くまで値を戻している。

ドル円日米貿易摩擦再燃、リスクは円高に!?(9/7夕)

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7日の東京市場は、終わってみれば「行って来い」。前日の流れを継ぎ、当初はドル売りが目立ったが、途中で買い戻しが入ると、終盤にかけては寄り付き近くまで値を戻している。

ドル/円相場は、寄り付いた110.70-75円を日中高値にドル安・円高が進行。日中安値となる110.35-40円まで一気に値を下げた。しかし、日中安値を記録後ドルは逆にじり高推移。夕方には110.70-75円の寄り付きレベルまで値を上げ、そのまま16時段階では110.60-65円の高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、ユーロ/円やポンド/円も、ドル/円同様に急落後回復するという「Vの字型」の値動きで、往復の価格変動は1円を超えたほか、豪ドル/円は前日のNYから一貫した右肩下がり。トータルすれば、その間だけで1円を下げる値動きをたどっていた。

一方、材料的に、注視されていたものは、引き続き「トランプファクター」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、前日に米紙WSJが、「トランプ米大統領は貿易赤字の削減に向け、対日圧力の強化に意欲をみせている」などと報じ、これが東京時間も根強く尾を引いた。ちなみに、この件について麻生財務相からは「日米通商協議の最中。コメントする段階にない」との発言が聞かれている。
対して後者は、トランプ米大統領から「北委員長とは一緒にやっていける」といった発言が聞かれるなか、東京新聞は韓国大統領ブレーンのインタビューとして「年内の終戦宣言締結は可能」、聯合ニュース「米韓高官が電話会談、特使団の訪朝結果を共有」、インドネシア紙「韓国大統領、年内の非核化進展が目標と発言」−−など関連ニュースが相次いでいた。

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5日には111.70円台を記録するなど、ドルの上値トライの機運がうかがわせていた流れが一変、足もとは再びドル安方向のリスクを感じさせる。実際、本日東京時間には110.30円台まで値を下げる局面も観測されていた。1日半程度で目先高値から1.4円ものドル安進行であり、なかなか値動きは激しい。とは言え、形成レンジをややワイドにとれば、依然として往来相場の域にとどまっており、大きな意味では方向性に乏しい状況だ。ドルの弱気派としては、取り敢えず110円レベル、あるいは直近安値の109.77円をしっかり下回って欲しいところだろう。
材料的には、トルコや英国など欧州情勢のほか、米中や日米あるいはNAFTAなど米貿易ファクターへの警戒感が再び高まっている感を否めない。それらを注視つつも、一部の市場筋からは「地合いからすれば、今夜発表される注目の米雇用統計が悪化した場合の反応が大きそう」−−などといった指摘も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、先日の「上抜けトライ」から一転し、足もとは週間を通して111円を挟み上下50ポイントほどでほぼ横ばい推移を続ける一目均衡表の先行帯の雲の下限割れを試す展開だ。ドルが再び売り込まれた際の攻防には要注意。
チャートを見ると、110円レベルまでは一目や移動平均など複数のチャートにおけるテクニカルポイントが少なくないものの、それ以下となるといきなり空白地帯のようになる。前回安値の109.77円も近い移動平均の200日線が位置する109.80円レベルを下回ると、ドルの下値は波乱含みに。

一方、材料的に見た場合、注目の8月の米雇用統計が発表される予定となっているほか、本日もローゼングレン・ボストン連銀総裁やメスター・クリーブランド連銀総裁などによる講演も相次ぐ。
なお、前者について、もっとも注視されている非農業部門雇用者数の事前予想は19万程度の増加で、前月より改善が見込まれている。ただ、昨日発表された「先行指標」とも言われるADP雇用者数が、事前予想を下回る内容だったことは気掛かりだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.20円。ドル高・円安方向は、111円前後が最初の抵抗で、抜ければ111円半ば、あるいは直近高値の111.76円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の110.35-40円の攻防にまずは注目。かなり底堅いイメージもなくはないが、ザックリ言って110円前後を「しっかり」下回ればドル下値は波乱含みか。

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