<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は、小幅にドルが続伸。一時は17日以来の111円台回復をうかがう局面も観測されていた。
ドル/円相場は、110.55円前後で寄り付いたものの、しばらくのあいだ揉み合い。週初に記録した今週高値の110.68円が上値をキャップしていたが、上抜けると日中高値である110.90-95円まで一気に値を上げた。16時時点でも日中高値に近い110.85円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、仮想通貨ビットコインは、米証券取引委員会(SEC)が「プロシェアーズなど3社の提出した9本のビットコインETF(上場投資信託)の申請を却下」との報道もあり、早朝などに大きく値を下げたが、その後は底堅い。
一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、引き続き「米貿易問題」と「口止め料問題」などを含めた米大統領の去就について。
前者については、22-23日に実施される次官級協議を中心とした米中の動きだけでなく、ロス米商務長官が「近い将来、合意に達する」と発言したMAFTAについても関心が高まっていたようだ。対して後者は、裁判でトランプ米大統領の元選対本部長マナフォート被告が有罪評決を受けたうえに、元顧問弁護士コーエン被告がトランプ氏の指示で不正行為をしたと認めたことで「11月の中間選挙に向けて与党・共和党への逆風となりかねず、自身への捜査の手が広がる可能性も出てきた」(ロイター)などといった論調も観測されていた。
そのほかでは、「北分析サイトの38ノース、ミサイル発射場の解体は停滞」と発表、「豪内閣でゴタゴタ、金融相など辞任」と報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
21日にドルは110円を割り込み109.77円まで一時値を下げたものの、そこから大きく反発に転じており、すでに1円以上の戻しを記録している。一時懸念されていた「ドルのレンジ下放れ」あるいは「下値余地拡大」は、またもやダマシに終わった感を否めない。なお、7月高値113.17円を起点としたフィボナッチの観点からすると、次の抵抗は38.2%戻しに当たる111.05-10円か。そのレベルを抜けると、さらなるドルの戻りも期待できそうだ。
材料的には、引き続き「米貿易問題」が最大の関心事。23日まで実施される米中次官級協議は要注意だが、「閣僚級」の協議ではないこともあり、大きな進展を期待する声はほとんど聞かれない。現状維持ならOK、といったところで、少なくとも目先のドル売り要因にはなりにくいように感じている。
テクニカルに見た場合、飽くまでザラ場ベースではあるが、過去2日間、ドルの上値を抑制してきた一目均衡表の先行帯の雲の下限(110.60-65円)を上回っての推移となっている。同上限は111円半ばと、やや遠いため一足飛びにトライする展開は見込みにくいが、この後も引き続き雲の下限がサポートとなり、ドルは底堅い値動きをたどる可能性も否定出来ない。
ちなみに、そんなドルの次の抵抗は移動平均の25日線が位置するほか、フィボナッチのテクニカルポイントなどにあたる111.05円前後となる。
一方、材料的に見た場合、7月の新築住宅販売件数や8月の製造業PMIや同総合PMIとなどの米経済指標の発表が予定されており、それらにまずは要注意。
そのほか、先でも取り上げた「米中貿易協議、次官級会合」などが気掛かりであるうえ、ここ最近はトルコや英国といった先のほか、本日も「豪州で政治的混乱」が取り沙汰されたり、「南アが土地収用に関し米国と小競り合い、米大統領による内政干渉」が明らかにされたりと、多方面で問題が多い。続報などには注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.40-111.40円。ドル高・円安方向は、東京時間に抜けられなかった111円レベルが最初の抵抗。前後には25日線などテクニカルポイントも多く攻防には注意だ。上抜ければ、15日高値の111円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、現在上回っている一目の雲の上限が位置する110.60-65円が引き続きサポートとなるのか否かに注目。割り込んだ場合には、110.20円や110円などがサポートとなりそうだが、いずれにしても底堅いイメージ。(了)
オーダー/ポジション状況
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