<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場は、一時下値を試すも続かず、「行って来い」。110.70円レベルまで値を下げ、続落が懸念される状況から、大きく値を戻して大引けている。
ドル/円相場は、110.95円前後で寄り付いたものの、当初は前日NYの流れを継ぎドルはじり安推移。ジワリと下値を切り下げる展開で、110.70円レベルまで一時値を下げた。
しかし、前日比52円安で寄り付いたのち、3ケタ台へと下げ幅を拡大させていた日経平均株価が反発に転じるとプラス圏を回復したことなどが好感され、ドルも反発。ドル/円相場は「行って来い」に。111円台を回復したのち、16時時点でも111.05-10円で推移しつつ、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかNZドルが終日弱含みで、対円では73.80円レベルまで値を下げ、年初来安値を更新する局面が観測されていた。また、トルコリラも対円で年初来安値を更新。
一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、継続案件の「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」だが、それ以外ではカナダと外交的対立関係が指摘される「サウジ情勢」と「原油価格の動き」も話題に。
後者2つについて指摘すれば、サウジのジュベイル外相が記者会見で「仲裁は不要」としたうえで、「カナダへの追加措置を検討している」と述べている。また、英FT紙による「サウジ中銀など、資産運用者にカナダ株売却を指示」との報道も。対して、原油価格に関しては、シャナ通信が「イラン石油相、生産調整めぐりOPEC臨時総会を提案」、ロイター「クウェート石油省次官、原油価格は年内現在の水準で推移」−−などと報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
111円レベルを下限としていたレンジを下放れたものの、ほとんど値の走ることはなく、「下値リスクが高まった」と言えるかどうかは微妙な状況だ。本日の東京安値である110.70円レベルは、先月末31日の安値にもあたるテクニカルポイント。そうしたレベルで下げ止まり、そののち111円台へと回帰したことは、むしろドルの底堅さをうかがわせると言えるかも知れない。いずれにしても、引き続き足もとの111円台を中心としたレンジを「しっかり」と抜けていくことが出来るのかに引き続き注意を払いたい。
材料的には、幾つか注目要因があるものの、とくにとなると米中そして日米を中心とした「貿易問題」への関心が高い。そうしたなか、本日には「日米新貿易協議の初会合」が実施される見込みで、どういった会談がなされ、落とし所へと向かうのか要注意だろう。なお、日経新聞によると、「会合は一日の予定だが、延長の可能性もある」という。為替市場への影響も明日あるいは来週へ持ち越されることも否定出来ない。
テクニカルに見た場合、111円レベルを下限としたボックス圏を下回ってきたものの、なにげにドルは底堅い。7月31日安値の110.70円レベルで、ドルは下げ止まった格好にある。このあとも引き続き同レベルをめぐる攻防に注目で、割り込むようだと前回安値の110.58円や、移動平均の75日線が位置する110.45-50円、5月安値108.11円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる110.05円などがターゲットとなりそうだ。
対するレジスタンスは、今週のドル高値圏である111円半ばか。
一方、材料的に見た場合、7月の生産者物価指数や6月の卸売売上高といった米経済指標に加え、米財務省による30年債入札、エバンズ・シカゴ連銀総裁が実施するメディア各社とのインタビューなどにも一応要注意。
しかし、もっとも注視される要因はやはり、「日米貿易協議の初会合」か。米国が要求する「自由貿易協定(FTA)交渉」の行方など貿易問題そのものの議論も気になるが、米国サイドから「円安誘導批判」のような為替に直接言及する内容が示される可能性も否定できない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.40-111.50円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値圏である111円半ばが最初の抵抗で、抜けると3日高値の111.85円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京時間安値である110.70円の攻防にまずは注視。割り込むようだと、先週安値110.58円、110.45-50円などが視界内に捉えられそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.22
ドル円見通し 21日夜からの反落で一時154円割る、日銀総裁は12月利上げの可能性排除せず(24/11/22)
ドル円は21日深夜には153.90円まで安値を切り下げた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.22
ドル円、下落後に反発するなど底堅い動き。上昇トレンドの継続を想定(11/22朝)
21日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2018.08.10
ドル円111円挟みで小動き トルコリラ20円割れ(8/10朝)
9日の海外市場でドル円は小動き。新規材料難から方向感の無い動きが続いています。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2018.08.09
ドル円見通し7月26日安値以降の支持線から転落(8/9)
8日は英ポンドが1.28538ドルまで下落して今年4月17日高値1.43756ドル以降の安値を更新し、1年ぶりの安値水準となった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。