<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、小幅ながらドル安・円高。夕方にかけて下げ幅を広げ、111円割れをうかがう様相を呈している。
ドル/円相場は、111.35-40円で寄り付いたものの、しばらくは凪商状。111.30-45円といった非常に狭いレンジ取引をたどっていたが、夕方にかけて下限を割り込むと、日中安値である111.10円レベルへと、小幅に値を下げてきた。一時100円を超える上げ幅を記録していた日経平均株価が、大引けではマイナス圏に沈んだことなどが嫌気されていた面もあったという。16時時点では、111.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に仮想通貨ビットコインが大幅安。前日NYタイムには7000ドル台で推移していたものが、一時6500ドル台へ。米SECが「ビットコイン投資信託の上場認可決定を先送り」したことが嫌気されていたもよう。
ドル円15分足
一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、いまだ継続案件としてくすぶる「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、「米通商代表部、対中関税第2弾を23日に発動へ」と報じられるなか、安倍首相が来日中の国連事務総長と会談し、総長から「米貿易紛争収束への貢献を期待する」と調整役への期待を寄せられたという。対して後者は、北朝鮮担当者が国連で「軍縮、制裁と圧力だけでは解決しない」と発言、またボルトン米補佐官も「トランプ大統領は国務長官を北朝鮮に再び派遣する考え」とコメントしたほか、北朝鮮分析サイト38ノースは「北朝鮮、ミサイル発射場の解体進展」と発表、労働新聞「北朝鮮は南北関係改善の流れに逆行、と韓国軍を非難」と報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末から形成していた、極狭レンジである111.10-55円を下方向に抜けたが、それでも下値は取り敢えず111円前後まで。レンジを多少広げただけに過ぎず、「下値リスクが高まった」−−などと言える状況にはない。本稿執筆時も、111円台をしっかり割り込んだとは言えない状況だけに、引き続き形成している足もとのレンジを如何にブレークするのか、放れる方向性とともに注意を払いたいところだ。
材料的には、米中そして日米を中心とした「貿易問題」への関心が高く、それに「北朝鮮情勢」と「米イラン問題」が絡む様相となっている。本日のNY時間も、米経済指標の発表など材料がまったくないわけではないが、基本的には明日に実施される予定の「日米新貿易協議の初会合」をにらみ、思惑の交錯した展開か。なお、対日貿易赤字に不満を抱く米国は、日米自由貿易協定(FTA)の交渉入りなどを求める構えを見せており、回避を狙う日本サイドとの鍔迫り合いには要注目だ。
テクニカルに見た場合、期間によって異なる、幾つかのレンジを形成している状況を呈しているが、うちもっとも狭いレンジである111.10-55円は取り敢えず下放れてきた。
ただ、ドルの下値リスクが大きく高まったという感はまだなく、むしろ底堅いイメージすら感じるが、チャート的には7月31日の110.70円レベルや、110.58円の前回安値が視界内に捉えられている。なお、それら目先のサポートを仮に下回るようだと移動平均の75日線が位置する110.45円レベル、5月安値108.11円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる110.05円などがターゲットに。
ドル円日足
一方、材料的に見た場合、メジャーな米経済指標の発表などは予定されておらず、全般的には手掛かり材料難。ただ、米財務省による10年債入札や、FOMCへの投票権を有するバーキン・リッチモンド連銀総裁の講演などは一応要注意か。
とは言え、基本的には、継続案件である「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「米イランの対立」などに関するニュースに相場は左右されそう。続報に注意したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.50円。ドル高・円安方向は、2日続けてドルの上値を阻んできた111円半ばが最初の抵抗で、抜けると3日高値の111.85円レベル、112円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値111円レベルの攻防にまずは注視。割り込むようだと、110.70円レベルや先週安値の110.58円などが視界内に捉えられそうだ。
オーダー/ポジション状況
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