<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、ドル高・円安。30ポイント強と値幅そのものは小さいが、「寄り付き安・大引け高」で1月9日以来の113円台を回復する局面も観測されていた。
ドル/円相場は、寄り付いた112.80-85円を日中の安値圏にドルが強含み。前日突破できなかった113円台へと一時乗せている。
ただ、ファーストトライでは定着出来ず、112円へと軟落。しかし、夕方にかけて再びドルが買い進められると113.15円近くまで一気に上値を伸ばした。16時時点でも113.05-10円の日中高値圏で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、週末に実施される「G20財務相・中銀総裁会議」について。
ロイターは、「ドイツ財務省当局者が、G20では貿易障壁の利用が正しい対処法ではないとの見方を示した」と報じたほか、別に「米財務長官、G20にあわせた中国との協議は予定せず」とも指摘し、米中貿易問題の根深さを示唆している。また、共同通信による「G20会合にあわせ、G7会合ならびに日米財務相会談実施も」との報道が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル高基調が止まらず、本日の東京時間にはついに113円台へ。テクニカルには、2016年12月高値118.66円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻し113.30円レベルが、名実ともに次のターゲットとして意識されている。調整らしい調整もなく、右肩上がりの展開をたどっていることには注意したいが、リスクは間違いなくドル高方向。さらなる高値トライも否定出来ないだろう。
ただ、若干気掛かりなのは、米国が対中を中心に全方位で貿易戦争の様相を示しているという状況だ。足もとは、「米貿易問題=円安要因」と認識されているものの、筆者のような古参、「1990年代の日米(自動車)貿易摩擦」を覚えている人間からすると、ドル/円の113.60円はかつて「ベンツェン・シーリング」と呼ばれたレベルで、やはり意識してしまう。もちろん、当時とはファンダメンタルズも違えば、日米の政治担当政権も異なることは承知しているが、どこまで米国が「ドル高水準を容認するのか」−−という疑念もなくはない。そろそろ「危険領域」の感も!?
テクニカルに見た場合、先週初めのドル安値110.20円レベルから、本日の113円台に至るまで、すでに10日近く調整らしい調整もないままドル高が進行している。ちなみに、そのあいだのドル上昇幅はおよそ3円となる。
基本的なリスクはドル高・円安で疑いないところだが、今度本格的な調整が入る展開にも一応要注意。上げ幅から考えれば、たとえ半値程度の押しが入ったとしても1.5円ほど、なかなかの深押しとなる可能性もある。
一方、材料的に見た場合、6月の住宅着工件数といった米経済指標が発表されるうえ、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表を警戒する声も少なくない。ちなみに、後者については「通商摩擦の景気への影響」を気にする向きが多く、影響限定との考えならドル高・要因になるとの指摘も聞かれていた。
また、それ以外では昨日に続く「パウエルFRB議長の半期に一度の議会証言」にも一応要注意。ただ、基本的には昨日の発言に準ずるものになるもようで、それからすると少なくともドル売り要因としては考えにくいかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.60-113.80円。ドル高・円安方向は、113円を超えたことにより、フィボナッチのポイントである113.30円がターゲットとして意識されそうだ。抜ければ、昨年12月高値の113.75円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、112.80円レベルが最初のサポートで、まずはその攻防に注意したい。割り込んだ場合には、112円台前半などがターゲットとなりそうだ。
オーダー/ポジション状況
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