<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、一時ドル安が進行するも終わってみれば「行って来い」。109.37円レベルと、前日安値に面合わせするも抜けられず、その後はドル買い戻しが優勢となった。
ドル/円相場は、寄り付いた109.75円レベルを日中高値にドルはじり安推移。軟調に推移した日経平均株価の動きに連れる格好で、ドル/円もドル売り・円買いが優勢だった。
前日安値に一時面合わせするも抜け切れず、流れが反転。また、株価も反発に転じると、わずかながらプラス圏を回復したことで為替も円売りが続き「行って来い」に。結局、寄付きに近い109.70-75円まで値を戻し、16時時点では109.60-65円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易戦争懸念」について。
前日に、米オートバイ製造大手ハーレー・ダビッドソンが、EUによる報復関税を回避するため、欧州向けバイク生産を米国から海外に移す方針を示した件について、トランプ大統領がツイッターで強く批判するなか、ルメール仏経済相は「米国が自動車関税引き上げなら報復」と発言、WSJ紙は「米中貿易摩擦、習氏は徹底抗戦の構え」と報じていた。
なお、日本サイドからは安倍首相による「日銀の金融緩和は、為替の円安誘導のための政策ではない」とのコメントが聞かれていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
テクニカルに見た場合、前述したように110円円前後からはドルの上値も重そうだが、反面、下値も堅い。実際、時間足など短期ベースでは昨日欧米と本日東京の2度、109.35-40円でドルは下げ止まっている。再びドルが軟化した際には、同レベルが3度サポートとして寄与するのかどうかを注視しておきたい。
ただ、割り込むようだと、次なるドルのサポートは、8日安値の109.20円。ちなみに、同レベルは、5月安値108.12円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しともほぼ合致する。
一方、材料的に見た場合、6月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数など、幾つか米経済指標が発表される予定であり、それらは一応要注意。昨日発表されたダラス連銀指数は予想を上回ったものの、前週はフィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想外の悪化でネガティブサプライズとなっただけに、依然として予想下振れに対する警戒感は根強いものがありそうだ。
そのほか、米財務省による2年債の入札や、ボスティック・アトランタ連銀総裁による講演などにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.10-110.10円。ドル高・円安方向は、執筆段階で絡む値動きをたどっている一目の雲の上限(109.70円前後)の攻防がまずは注視されている。ただ、上抜けても109.85円レベルには移動平均の25日線が位置するなど、200日線にかけて複数のポイントがあるためドルの上昇も限られそうだ。
対するドル安・円高方向は、先で指摘した109.35-40円がなかなか強いサポートで、割り込んだ場合には8日安値の109.20円がターゲットに。その水準も下回ると108円台突入が予想されるが、目先はそこまでのドル安を想定しにくい。(了)
オーダー/ポジション状況
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