<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場は、引き続きドル高・円安。値幅そのものは40ポイントに届かない小幅なものに終わったが、一時110.70円近くまで値を上げ、連日で直近のドル戻り高値を更新する局面が観測されていた。
ドル/円市場は、寄り付いた110.30-35円を日中安値にドルがしっかり。上値も重く、飽くまでじりじりとした値動きだったものの、下値を切り上げつつ110.70円近くまで値を上げている。前日比17円高で寄り付いた日経平均株価が上げ幅を拡大、一時は100円を超えたことなどが好感されていたという。
ドルは高値を示現後、やや値を崩すも底堅い。16時時点では、110.50-65円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、前日に実施された「米朝首脳会談」について。
トランプ米大統領が自身のツイッターに、「戦争は誰でも始められるが、平和を作るのはもっとも勇気のある人たちだけ」などと自画自賛のコメントをするなか、カウンターパートの北朝鮮は国営の朝鮮中央通信が「北朝鮮の安全の保証に加え制裁解除で合意」「非核化めぐり段階的かつ同時行動の原則で合意」−−などと、内容的に間違ってはいないものの、かなり都合のよい部分をチョイスし報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日実施された米朝首脳会談について、メディアを含めた各国からの評価がほぼ出揃ったが、やはりなかなか厳しい見方も少なくない。たとえば韓国では、朝鮮日報が「板門店宣言に明記された完全な非核化から一歩も前に進めなかった」などと酷評したほか、米議会においても野党である民主党上院トップのシューマー院内総務は「共同声明は具体性に欠ける」と批判するコメントを残していた。とは言え、引き続き「期待感」がドルの下支えとなりそうで、111円台回復に向けたドルの続伸には要注意。
マーケットのセンチメントは基本的にドル高方向で間違いないものの、本日はNY時間に注目の米FOMC、金融政策についての発表がなされるだけに、その内容で失望を誘うようだと、流れが一変する危険性もないではない。今週だけでも週初のオープンレベルを安値に右肩上がり、1.5円ほど上昇しポジションがやや偏り始めていることは若干気掛かりだ。
テクニカルに見た場合、昨日の東京時間に110.15-20円に位置した移動平均の200日線を「しっかり」超えたのちは同レベルが逆にサポートになっている感を否めない。
そうしたなか、次の抵抗と指摘してきた前回のドル高値111.39円を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%戻しに当たる110.60円レベルを本日突破してきた。いよいよ111円台回復が現実のものとなっており、前記した前回高値111.39円も薄らだが視界内に捉えられている。ドル続伸の場合には、それらレベルの攻防に要注意。
一方、材料的に見た場合、5月の生産者物価指数という米経済指標が発表されるものの、本日は何と言ってもFOMCならびに、パウエルFRB議長の記者会見に注意を払いたい。
ちなみに、FOMCについては「利上げ実施がすでに織り込み済み」で、問題は「年内の利上げ回数増加などがあるかどうか」あるいは「来年の利上げペース加速示唆の有無」−−といったところ。強気or弱気、どちらの内容が示されても、発表前後の金融市場は荒っぽい価格変動をたどる可能性がある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.80-111.00円。ドル高・円安方向は、110.60円レベルの抵抗を超えたことで、次のターゲットは111円レベル。さらに111円台に乗せるようだと、前回高値111.39円の攻防が注視されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日「しっかり」回復して以来、ほぼ下回ることのない移動平均の200日線(110.15-20円)が目先のサポートか。割り込むようだと一目均衡表の基準線など複数のテクニカルポイントが位置する109.75-85円がサポートに。(了)
オーダー/ポジション状況
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