<< 東京市場の動き >>
週明け11日の東京市場は、ドル高・円安。しかも、「寄り付き安・大引け高」の様相で、終盤にかけては一時110円台を回復する局面も観測されていた。
週末に行われたG7サミットで、米貿易問題をめぐる欧米諸国間の亀裂が鮮明化したことを嫌気、ドル/円市場は前週末よりもやや円高の109.25円前後で寄り付いた。
しかし、米貿易戦争懸念の影響は限定的で、結局寄り付きレベルを日中安値にドルは上昇。ストップロスを巻き込みつつ、夕方には一時110円台まで値を上げ、16時時点でも109.95-00円の日中最高値圏で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者に関しては、米FOXニュースは、ナバロ米国家通商会議委員長のインタビューとして「NAFTA再交渉不調の責任はカナダにある」と報道、トランプ米大統領も再びツイッターでカナダ首相のG7対応を再批判するなど、米加を中心に泥沼の様相に。対して後者は、明12日に予定されている米朝首脳会談を前に、韓国の中央日報「北委員長、来月平壌で2回目の米朝会談を提案」、KBS「北朝鮮、米国に連絡事務所の開設を要請」−−などといった報道が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
前述したように、先週末のG7サミットで米加あるいは米欧の貿易面での対立が鮮明化、マーケットはもう少し材料視すると考えていたが、それより明12日の米朝首脳会談における議論の進展期待や融和観測などへの関心が高かったようだ。個人的にはやや懐疑的に思う面もあるのだが、目先的には期待感の先行する展開が続きそうで、それがドル/円などの下値を支える要因となる可能性もある。
テクニカルには、引き続き110.15-20円に位置する移動平均の200日線ならびに、先週高値である110.27円をめぐる攻防に注意を払いたい。上抜けた場合には、110.60円レベルが次の抵抗となり、それも超えれば111円台回復がいよいよ現実のものに。
テクニカルに見た場合、なかなか激しい上下動をたどっているものの、レンジという意味では過去1週間ほど109.20-110.27円といった1円強の値幅にとどまっている。つまり、ボックス圏内で荒っぽい変動をたどっているだけで、方向性はいまだ乏しい状況だ。
したがって、まずは前記1円強のボックス圏を上下どちらに抜けていくのかがポイントとなりそうだが、最近の傾向としてはボックス圏を一時上抜けても、そののち結局押し戻され、「レンジを多少広げただけ」ということが少なくない。「しっかり」抜けていくことが出来るのかどうか情勢を見極めたい。
一方、材料的に見た場合、今週は注目要因が決して少なくないのだが、本日はこれといった米経済指標が発表もなく、また欧米要人による講演などもとくには予定されていない。そうした意味ではやや動きにくい雰囲気もある。ただ、わずかに米財務省による3年債、10年債入札が実施される見込みであり、そちらには一応要注意。
なお、先週末のG7サミットで米加あるいは米欧の貿易面での対立が鮮明化し、終了後も各国首脳から激しい「口撃」が聞かれている。本日も引き続き対立を煽るような要人発言には警戒が必要だろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.40-110.40円。ドル高・円安方向は、110.15-20円に位置する移動平均の200日線ならびに、先週高値である110.27円をめぐる攻防を注視したい。上抜けた場合には、フィボナッチの観点から110.60円レベルが次の抵抗となる。
対するドル安・円高方向は、本稿執筆段階で再び上回っている移動平均の25日線(109.75-80円)などが目先のサポート。割り込むようだと一目均衡表の転換線も位置する109.30円レベル、直近安値109.20円などがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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