<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、終盤にかけてドル高進行。ドルは終日を通して底堅い値動きをたどるなか、夕方にかけて上値トライ、111.15-20円まで一時値を上げている。
ドル/円相場は、111.00-05円で寄り付いたものの、当初はやや方向性に欠ける値動き。新規材料に乏しいなか、価格ではなく時間調整といった様相で、111円挟みである110.85-111.05円という狭いボックス内での変動に終始した。
しかし、終盤にかけては、米金利の上昇に合わせたドル買いが目に付く格好となり、ボックスの上限を超えて111.15-20円へと小幅に上昇。16時時点でもほぼ同水準、終日を通したドル高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、本日もまずは「北朝鮮情勢」。FOXニュースがペンス米副大統領の発言として「トランプ氏は、北朝鮮の出方次第で首脳会談中止との認識」と報じるなか、聯合ニュースは韓国大統領府高官が「米朝会談は99.9%実現する」と強気のスタンスを示したと指摘していた。
そのほか、参院財政金融委員会に出席した黒田日銀総裁から「物価見通しは下振れリスクの方が大きい」「現在の金融緩和を粘り強く続けることが適当」「現在は出口に着手する段階に至ってない」などといった発言が聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
発表される米経済指標を背景としたファンダメンタルズや、北朝鮮情勢をはじめとする国際的な政治要因など材料面をいま少し注視すれば様相に変化が生じそうだが、足もとの市場は完全に日米などの金利差に左右される動きとなっている。つまり、ここ最近のドル高・円安は日米金利差の拡大観測が背景となっている感を否めない。
チャート見た場合、3月26日安値104.58円を起点に価格的には7円近く、2ヵ月近い上昇をたどっていることでいつ調整が入っても不思議はないものの、リスクという点では引き続きドル高方向にバイアスがかかりそう。ドルの次のターゲットである1月18日高値の111.48円、あるいは週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する111.95-00円などへ向けて、さらなる高値トライも否定出来ない。
テクニカルに見た場合、3月26日に安値を記録した後の展開は、一本調子ともいえるドル高の進行で、綺麗な「上昇チャンネル」を形成している様相がうかがえる。ちなみに、チャンネルの下限は本日110.20-25円に位置しており、連日13ポイント程度ずつ水準を切り上げていく。本格的な調整局面入りを考えるのであれば、上昇チャンネルの下限を割り込むか否か、その攻防に注意しておきたい。
また、別の視点で見ると、3月26日に安値を記録したのちは目先高値から最大でも1.4円ほどの調整に留まっている。たとえば、今月上旬を見ても当時高値110.04円からの下押しは108.65円までだって。いずれにしても、目先高値から1.4円以上の値幅でドルに下押しが入った場合には警戒が必要かもしれない。
一方、材料的に見た場合、5月のリッチモンド連銀製造業指数という米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債入札や米国ではなく欧州の要人、リッカネン・フィンランド中銀総裁による講演が予定されている。
そのほか、ワシントンで米韓首脳会談が開催される見込みで、こちらも要注意。前述したように、FOXニュースがペンス米副大統領の発言として「トランプ氏は、北朝鮮の出方次第で首脳会談中止との認識」と報じているだけに、如何なる協議がなされるのがしっかりとした注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.70-111.60円。ドル高・円安方向は、昨日高値の111.39円が最初の抵抗で、抜ければ近いレベルの1月18日高値の111.48円、111.90-95円や112円がターゲットにとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値圏に当たる110.80円レベルの攻防にまずは注視。割り込むようだと110.60円、移動平均の200日線が位置する110.20円レベルなどが下値メドに。(了)
オーダー/ポジション状況
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