<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、ドル高・円安。ただ、前日に記録したドルの戻り高値109.20円レベルを更新することは出来なかった。
ドル/円は、108.80円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。しかし、ゴトー日仲値不足観測や、前日比159円安で寄り付いた日経平均株価が下げ幅を縮小、大引けでは62円安となったことが好感され、徐々に円売りが優勢となった。また、「武田薬品がアイルランドのシャイアー買収で暫定合意した」との報道も、M&Aに絡む為替市場での円売り発生思惑を呼んでいたという。
前日のNY時間に記録していた109円台を再び回復し、夕方には109.15-20円までドルは上昇している。16時時点でもドルは日中の高値圏をキープ、109.10-15円で推移して欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮」を中心としたアジア情勢。韓国の中央日報による「米朝首脳会談開催場所、モンゴルとシンガポールに絞り込み」との報道や、米研究所から「北朝鮮、核実験場廃棄へ兆候あるもさらに分析必要」といった発表がなされていた。また、「トランプ米大統領が、財務長官と通商代表を近く中国へ派遣を表明」、ロイター通信による「米政府、韓国大使にハリス太平洋軍司令官を指名も」といったニュースも別に観測されていたようだ。
そのほかでは、自民党の森山会対策委員長が「野党から内閣不信任決議案が出されれば、衆院解散も内閣のひとつの選択肢」と述べ、一部で物議を醸していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
攻防の分岐点であった108円を突破後、ドルは順調に上値を伸ばしており、110円レベルも視界内に捉えた値動きとなっている。ただ109円半ばは、昨年11月高値114.74円を起点とした半値戻しにあたるほか、一目均衡表の先行帯の雲の上限も位置している重要なテクニカルポイント。目先は109円半ばを上値に、ドルはやや頭が重い状況を続ける可能性も否定出来ない。
材料的には、「シリア情勢」など先週まで聞かれた様々な政治ファクターも一巡、足もとは久しぶりに米金利動向や、ファンダメンタルズ要因に関心が集まっている感がある。また、週末27日の南北首脳会談が開催される見込みで、それらに関する警戒感も根強いものがありそうだ。リスク要因として注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、リスクは間違いなく上方向にバイアスがかかる。心理的な抵抗でもある110円レベルも現実的な抵抗として意識され始めた。
しかし、昨年11月高値114.74円を起点とした半値戻しは109.45円レベルで、直近安値からも5円近い戻りを達成している。RSIのようなオシレーター系のチャートを見ると、短期的には若干買われ過ぎの感に達してきたことも気掛かり。足もとはいったん調整の動きが入っても不思議はないかもしれない。
一方、材料的に見た場合、本日は目立った米経済指標の発表などは予定されておらず、そうした意味では動きにくい雰囲気も。しかし、米財務省による5年債入札が実施される見込みであるほか、欧米企業の決算発表も相次ぐ。それらには一応要注意。
ほかでは目立った材料がないものの、週末27日の南北首脳会談に向けた動きや、トランプ米大統領が「財務長官と通商代表を近く中国へ派遣し、貿易問題を協議する」と指摘しているだけに、米中貿易戦争懸念が再び取り沙汰される懸念もないではない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.50-109.50円。ドル高・円安方向は、昨日NYの高値である109.20円レベルの攻防にまずは注視。抜ければフィボナッチや一目の雲の上限などが位置する109円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日NYで高値を付けたあと軟落した際の安値108円半ばが目先のサポート。割り込めば一目均衡表の転換線が位置する108.05円レベルを目指す展開か。基本的に底堅いイメージだが、短期的にドルが買われ過ぎていることはやや気掛かりだ。
オーダー/ポジション状況
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