<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は、ドルが強保ち合い。ザラ場ベースでは連日のドル戻り高値更新となったが、値動きそのものは20ポイントに留まるなど、大きな動意は見送られている。
ドル/円は、地政学リスクの後退観測から108.70円レベルで寄り付いた。しかし、下値は寄り付きからわずかに下がった108.65-70円までとかなり底堅いものの、上値も重く上げ渋り。東京時間は109円に届かず、108.85-90円をトップにした20ポイント程度での一進一退に終止している。16時時点では107.85-90円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「北朝鮮情勢」。中国国営中央テレビのニュースサイトは、北朝鮮で発生した交通事故で中国人32人を含む計36人が死亡した件について、「金北朝鮮党委員長が中国大使館を訪れ、哀悼の意を伝えた」と報じたほか、マティス米国防長官は「北朝鮮との対話が実りあるものになると楽観するに足るだけの理由がある」と述べ、27日の南北首脳会談や6月初旬までに開かれる見通しの米朝首脳会談に期待を示していたという。いずれも、先週からの南北や米朝の融和観測を後押しする要因で、ドルの買い安心感に繋がっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
先週後半ぐらいから、南北や米朝の融和観測が急速に高まっており、目先はそんな北朝鮮情勢に要注意。喫緊では、27日の南北首脳会談が開催される見込みで、市場関係者のあいだでは、その際において「共同宣言」などを含めた合意内容が注視されている。もちろん、たとえ合意したとしても、それを必ずしも北朝鮮が守るとは限らないことは歴史が証明済み。とは言え、為替市場においては、取り敢えずさらなる安心感の高まりから、ドル買い先行となる公算が大きいだろう。
なお、テクニカルには昨日108円レベルをしっかり超えてきたという意味が大きく、さらなるドルの続伸が期待されている。110円というレベルも、現実的なターゲットとして意識され始めており、それほど遠くないタイミングで到達する可能性も一部で聞かれていたようだ。
テクニカルに見た場合、攻防の分岐点だった108円レベルを突破したのち、ドルは大きく値を上げ、一気に109円近くまで値を達する展開となっている。リスクは間違いなく上方向にバイアス。
そんなドルの次の上値メドは、年初高値を起点とした下げ幅のフィボナッチ半値(50.0%)戻しにあたる109円レベル。また、一目均衡表の先行帯の雲の上限は109.30-35円、昨年11月高値114.74円を起点とした半値戻しは109.45円レベルとなる。110円も薄らとは視界内に捉えられているが、複数のテクニカルポイントが位置する109円前半で一度上げ渋ることになるかも知れない。
一方、材料的に見た場合、2月のS&Pケースシラー住宅価格指数や4月の消費者信頼感指数といった米経済指標の発表が予定されているほか、米財務省による2年債入札が実施される見込みだ。
また、ボスティック・アトランタ連銀総裁とカプラン・ダラス連銀総裁による挨拶や、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が討論会に参加する予定とされることで要人発言にも要注意。ちなみに、要人発言ということでは、マクロン大統領が訪米して行われる米仏首脳会談にも注意を払いたい。首脳会談については、たとえばシリアへの強硬姿勢が示されればネガティブサプライズ、リスク回避の円買いが再び強まる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.40-109.50円。ドル高・円安方向は、109円前後の攻防にまずは注視。抜ければ一目の雲の上限などが位置する109.30-45円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、108円半ばが弱いサポートであり、割り込めば108円前後まで続落しても不思議はない。基本的に底堅いイメージだが、短期的にドルが買われ過ぎていることはやや気掛かり。目先は調整が先行する展開にも一応要注意。(了)
オーダー/ポジション状況
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