ドル円見通し 3分の1戻しを超え半値戻しも意識(4/24)

11月天井からの下落幅は10.09円幅であり、2016年12月天井から2017年4月底への下落幅10.54円幅に近い。

ドル円見通し 3分の1戻しを超え半値戻しも意識(4/24)

【概況 108円台後半へ急伸中】

3月23日に104.63円まで下落し、2016年12月天井118.65円以降の安値を付けたが、その後は戻りが続いてきた。
4月20日への上昇で107.85円を付けて1週間前の13日高値107.77円を超えたが、その段階で3月26日からの上昇幅は3.22円幅となった。昨年11月以降の下落途中における小反発は12月12日への2.90円幅、2月2日への2.19円幅、2月21日への2.35円幅等で3円を超えられなかったが、今回は超えてきた。またそれらの反発では超えられなかった26日移動平均、一目均衡表の26日基準線を超えての続伸となってきた。
週明けも米長期金利上昇を背景にドル高感が強まり、ユーロドルが続落、ドル指数が5連騰となりドル円も108円超えから上昇が加速、24日未明には108.75円を付けて3月26日からの上昇幅も4円を超えた。

【リバウンド相場】

11月天井からの下落幅は10.09円幅であり、2016年12月天井から2017年4月底への下落幅10.54円幅に近い。また昨年4月反騰と同様に概ね5か月から半年周期の底打ちサイクルによるリバウンド入りと考えられる。昨年4月反騰では5月11日高値まで1か月弱で6.25円幅の上昇となった。今回はすでに11月天井からの下落幅に対する3分の1戻しを実現しているため、半値戻しの109.675円を意識する状況となってきている印象だ。ただし、すでに日足は一目均衡表の先行スパン上限(109.31円)、104日移動平均(109.12円)等にも接近してきているので、徐々に高所恐怖症的な抵抗感も出やすく、上昇継続の場合でもふるい落とし的な乱高下を発生させやすい点に注意がいる。

弱気転換は26日移動平均(現在106.72円)等を割り込むところからとし、107円台を維持するか、一時的に割り込む急落が発生しても短期に切り返して回復する場合は上昇継続性ありとみる。
概ね5か月から6か月周期でのリバウンド期とすれば、今回の戻り高値形成期は4月後半の現状からGW明けにかけての間と想定されるので、大型連休前には個人投資家のポジション調整、利食い優先の動き等から売り圧力がかかる可能性もあると注意する。

【ドル指数 5連騰 】

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は90.99ポイントまで上昇、3月1日の90.93ポイントを上抜いており、1月後半からの90ポイントを中心とした前後凡そ1.0ポイントでの持合い推移から上放れつつある。ユーロドルは3日続落。ドル円は4連騰とドル高感が強まっている。
米10年債利回りは2.98%へ上昇して2014年1月以来4年3か月振りの高水準となった。今週は大量の米国短期・中期国債の入札が予定されているため、需給緩和感が拡大して米国債が売られ、その反映で利回りが上昇している。
インフレ感が強まっていることも米長期債下落の背景となっているが、その主因の一つが原油の上昇であり、ロンドン原油は23日に75.10ドルへ上昇して2014年11月以来の高値となっている。

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

60分足の一目均衡表では4月18日の上昇で遅行スパンが好転、19日の上昇で先行スパンを上抜き、両スパン好転を維持して先週を終えたが、週明けの大幅続伸により両スパン好転も維持されている。急騰後に高値更新ができない状況が続くと高値から1日ずれて遅行スパンが悪化するが、高値更新が続けば遅行スパンの悪化もまた1日先送りされる。当面は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、遅行スパン悪化からは反動安入りとして先行スパン試しへ向かうと考える。

60分足の相対力指数は23日夜への上昇で80ポイントを超えており、かなりの買われすぎ警戒水準となった。まだ弱気逆行は見られていないが、相場の高値更新に対して指数がピークを切り下げる弱気逆行が発生する場合は大きめの反動安入りが警戒される。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは4月17日安値でサイクルボトムを付けて上昇してきたが、13日夜高値から5日を超えて続伸しているため、20日未明安値ないしは21日未明安値を直近のサイクルボトムとし、高値更新により新たな強気サイクルに入っていると思われる。当面の高値形成期を19日高値を基準に24日から26日にかけての間とするが、20日深夜高値を基準とすれば27日深夜にかけての間まで伸びる可能性があると思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、108.40円を支持線、109.00円を抵抗線とみておく。
(2)108.50円を割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとし、109円台乗せからは11月天井からの下落に対する半値戻しとなる109.675円を目指す上昇を想定する。
(3)108.40円割れからはいったん調整安入りと仮定して108円前後試しを想定するが、連騰後の急落はいったん大きく買い戻されやすいので108円以下は突っ込み警戒、反騰注意とみる。(了)<9:30執筆>

【当面の主な予定】

4/24(火)
10:30 (豪) 1-3月期 四半期消費者物価 前期比 (前期 0.6%、予想 0.5%)
10:30 (豪) 1-3月期 四半期消費者物価 前年比 (前期 1.9%、予想 2.0%)
14:00 (日) 2月 景気先行指数(CI)改定値 (速報 105.8)
17:00 (独) 4月 IFO景況感指数 (3月 114.7、予想 102.8)
18:30 (仏) ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
22:00 (米) 2月 ケース・シラー住宅価格指数 前年比 (1月 6.4%、予想 6.4%)
22:00 (米) 2月 住宅価格指数 前月比 (1月 0.8%、予想 0.6%)
23:00 (米) 3月 新築住宅販売件数 (2月 61.8万件、予想 63.0万件)
23:00 (米) 4月 リッチモンド連銀製造業指数 (3月 15、予想 16)
23:00 (米) 4月 消費者信頼感指数 (3月 127.7、予想 126.0)

4/25(水)
シドニー、ウェリントン市場休場(アンザックデー)
ASEAN首脳会議 (28日まで)

13:30 (日) 2月 全産業活動指数 前月比 (1月 -1.8%、予想 0.5%)
20:00 (土) トルコ中銀、政策金利 (現行 8.00%、予想 現状維持)

オーダー/ポジション状況

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