<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場も、小幅にドル高・円安。一時は107.70円台まで値を上げ、13日に記録したドル戻り高値107.78円に面合わせする局面も観測されていた。
ドル/円は寄り付いた107.35円レベルを日中安値に、ドルが小じっかり。上値をキャップしていた107円半ばを抜けると、107.70円台まで値を上げている。ゴトー日による仲値不足観測に加え、前日比マイナス圏で寄り付いた日経平均株価が一時プラスに転じたことが材料視されていたという。
しかし、ドルは高値を記録後冴えず、逆に小緩む展開に。夕方にかけてジリジリ値を崩すと107円半ばまで下落。16時時点では107.45-50円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「週末のG20会議」そのものや、議論されるであろう「通商政策・保護主義政策」に関するニュースなど。共同通信が「G20、保護主義阻止へ協調探る」と報じたほか、麻生財務相から「G20で為替について質問はなかった」との発言が聞かれていた。
なお、別に「麻生財務相が米財務長官と会談、現地時間20日午後1時45分から」や、「日韓、23日にソウルで首席代表会実施」「米韓、北の核問題で24日に高官級協議」−−など週末から来週はじめにかけての政治イベント日程が続々決定したと伝えられている。
<< 欧米市場の見通し >>
5日以降、過去2週間ほどは106.60-107.80円という1.2円ほどのボックスで一進一退をたどっており、方向性に基本乏しい。もちろん、本稿執筆時もボックス圏内に留まっているが、前述したように本日の東京時間には上限ブレークを試す動きがあるなど、レンジ取引をようやく抜け出す可能性も高まってきた。ちなみに、上抜けた場合には年初高値113.39円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにあたる107.95円がターゲット。108円レベルを抜ければ、ドルの上値余地が大きく広がりかねない。
そうしたなか、材料的には週末に実施されるG20財務相・中銀総裁会議に注目。また、前段で指摘したような「麻生財務相が米財務長官の会談」など、G20出席者による2国間の閣僚協議にも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、106.60-107.80円という1.2円ほどのレンジ取引はすでに2週間を超える。引き続きレンジ内での変動をたどることも否定できないが、本日の東京時間にレンジ放れに向けた動きがあっただけに、次なる動意に向けた期待感も決して小さくはないようだ。
チャートを素直に見れば108円レベルはかなり強い抵抗ながら、足もとの揉み合いも長期化しており、エネルギーはかなり蓄積されている。そのため、レンジをしっかり抜ければ、一気に値が飛ぶ展開を警戒する声も聞かれていた。
一方、材料的に見た場合、目立った米経済指標の発表は予定されていないが、エバンス・シカゴ連銀総裁による講演やステート・ストリートをはじめとする米企業の決算発表が実施される見込みで、注意を払いたい。
そのほかでは、先でも指摘したように週末に向けてのG20会議や、出席者による2国間協議なども要注意。その一例として、「麻生財務相が米財務長官と会談、現地時間20日午後1時45分から」と報じられており、為替への言及があればマーケットの波乱要因となりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.90-108.00円。ドル高・円安方向は、13日高値であり、本日東京高値も近い107.78円の攻防が注視され、抜ければフィボナッチなどを含めた強い抵抗である108円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の転換線が位置する107.20円レベルが最初のサポート。しっかり下回ると、同じ一目の先行帯の雲の下限が位置する106.80-85円、過去2週間ほどのレンジ下限である106.60円レベルが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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