米、対中制裁課税拡大方針で全面的リスクオフ(3/23)

昨晩トランプ大統領は中国による知的財産権侵害を理由として、通商法301条発動による制裁実施を表明、

米、対中制裁課税拡大方針で全面的リスクオフ(3/23)

米、対中制裁課税拡大方針で全面的リスクオフ

昨晩トランプ大統領は中国による知的財産権侵害を理由として、通商法301条発動による制裁実施を表明、500-600億ドル相当の中国製品に高関税を課す他、対米投資も制限する方針を明らかにしました。
対象となる中国製品の詳細は15日以内に明らかにされる予定となっていますが、ロボットテクノロジー、航空宇宙、海洋、高速鉄道等ハイテク産業分野が中心となる見込みで、中国との貿易摩擦激化は必至、世界的な貿易戦争拡大への懸念から欧米株は軒並み下落し、市場は一気にリスクオフへと傾きました。

ドル円は対中課税強化の事前報道にリスク回避の円買いが先行、ニューヨーク序盤には105.26の安値をつけましたが、発表後はやや戻し東京時間5:30現在は105.35近辺での取引です。
欧米株は全面安、NYダウの下げは700ドルを越え、終値は23,957.89と24,000ドルを割り込んでいます。米長期金利も低下して10年物米国債利回りは2.82%を割り込む動きと、昨晩市場は完全にトランプ大統領に振り回される形となりました。

尚、米通商代表部は先般発表された鉄鋼、アルミニウムの輸入制限から新たにEU、韓国を暫定的に適用除外とする方針も発表しましたが、日本については自由貿易協定締結を働きかけたとして今のところ除外対象に含まれていません。

トランプ大統領の仕掛ける貿易戦争には落ち着きどころも終わりも見えておらず、今後中国が発動すると思われる報復処置や、本日発動される上記の鉄鋼、アルミニウムの輸入制限の影響を見守るほかは無い状況です。

本日東京市場での株価下落は免れず、一旦は年初来安値105.25手前で持ち直したドル円も再び下方向をうかがう動きが予想されます。
この後8:50から本邦2月の消費者物価指数の発表があります。


追記:東京早朝ドル円は105.07まで下値を拡大、年初来安値を更新し、2016年11月以来約1年4ヵ月ぶりの円高水準となっています。

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