ドル円年初来安値更新
ドル円は昨日の欧州市場で一時110.67レベルと年初来の安値を更新しました。振り返るとECB理事会後のドラギ総裁発言でユーロドルが急騰、ドル円もドルの上値が抑えられる展開が続いていましたが、FOMC後のドル安の流れでもこれまでのもみあい下限となる112.16レベルは維持していました。
ところが昨日の東京後場から欧州市場にかけて日本株の下げがドル円での円買いを誘い、さらにユーロドルと競争するかのようにドル売りの動きとなったことで、もみあいを下抜け、更には2月のダブルボトムまで一気に下抜けるドル続落相場となったのです。ドル円は今回3度目のトライで年初来安値を更新したことでテクニカルにも非常に地合いの悪い状況となってきました。
以前にも書いたことがありますが、今一度円高方向のテクニカルなターゲットをチャートから確認しておくこととしましょう。ドル円の週足チャートをご覧ください。2011年9月から本日まで、各年を四角で囲ってあります。
ドル円週足チャート
赤い横線は、2011年の市場最円高値75.55を起点に昨年の円安値125.86を終点としたフィボナッチ・リトレースメント、青い横線は2014年前半のもみあい安値100.77を起点に同じく125.86を終点としフィボナッチ・リトレースメントです。他にもいくつかの起点はありますが、この2つで十分でしょう。
まず、赤い線で示される長期のリトレースメント(戻し)では、38.2%が106.64、50%(半値)が100.77となっています。次に青い線で示されるリトレースメントでは、起点が長期リトレースメントの半値水準からスタートしていて、同水準をベースにして61.8%が110.35となっています。
つまり、現状では大台と重なる110円前後が今回の流れの最初の節目であり、その先には106円台前半、さらには100円台後半と、だいたい5円ごとの大台がテクニカルなターゲットとなっていることがわかります。東京市場は月曜休場で3連休となりますが、まずは最初の節目110円前後を試しに行く可能性が高いのではないかと考えています。
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