目先は方向性喪失、FRB議長証言に要注意(2月第四週)

先週のドル/円相場は、ややドル高・円安。週初をドルの安値に、週の半ばには108円近くまで戻したものの続かず、週末にかけては逆に値を崩す局面が観測されていた。

目先は方向性喪失、FRB議長証言に要注意(2月第四週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場は、ややドル高・円安。週初をドルの安値に、週の半ばには108円近くまで戻したものの続かず、週末にかけては逆に値を崩す局面が観測されていた。

ドル/円は静かなスタート。前週末のNYクローズと大差ない106.30-35円レベルで寄り付いたのち、ドルはじり高推移に。終わってみれば、週初のオープンレベルが週間を通してのドル最安値圏となっていた。
そのままドルは断続的に買い進まれ、週の半ばにかけて107.90円レベルの週間高値を記録するも、勢いはそこまで。週末にかけては再びドル売り・円買いが優勢になると、週初の寄り付きに近い106円半ばまで値を下げている。そののち、再びドルがやや買い進まれ、週末NYは106.85-90円で取引を終え越週となった。

一方、週間を通した主な材料のひとつは、「北朝鮮情勢」。25日に平昌オリンピックが終了するなか米朝の緊張が再び高まるのでは、との思惑が台頭するなか、労働新聞が「安倍首相の五輪開会式出席を非難」「米韓合同軍事演習が南北関係改善にダメージ与える」などと報じていた。また、別にナウアート米国務省報道官から「パラリンピック後の軍事演習は計画通り実施する」との発言が聞かれたほか、米紙ワシントンポストによる「五輪開会式にともなう米朝会談、直前に中止」との報道も観測されている。
そのほかでは、「複数要人の発言」も一部で話題に。日経新聞が報じた浅川財務官インタビューにおける「円高は偏った動き」や、ロイターによる浜田内閣官房参与のインタビュー「日銀は外債購入を検討すべき」、ミネアポリス連銀総裁による「パウエル議長率いるFRBに大きな変化は予想せず」との発言なども市場変動要因のひとつになっていたという。

<< 今週の見通し >>

今月16日にドル安値105.55円まで下落した流れ、大きなドル安基調は継続していると思われる。しかし、短期的にはやや方向性を喪失している感を否めない。実際、先週20日のNY時間以降の価格変動を見ると、大雑把に106.50-108.00円という1.5円ほどのボックス圏を形成していることがみてとれる。足もとについては、次の方向性を探るような値動き、前述したボックス圏を中心としたレンジ取引が続く可能性もありそうだ。
ただし、マーケットでは2月27日そして3月1日に実施されるパウエルFRB議長の初めての議会証言を警戒する声が多い。元々、パウエル氏は「ハト派」と目される人物だけに、現在のインフレ上昇や景気の過熱警戒に対し、改めて慎重なペースでの利上げ姿勢が強調されると、為替相場ではドル安の材料となりかねないとの見方も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、先週ドルが上げ止まった108円レベルは、2月高値110.48円を起点としたフィボナッチの半値(50.0%)戻しにほぼ合致するテクニカルポイント。今週も、ドル高が進行した場合には抵抗として寄与するのかどうか、まずは攻防に注視したい。なお、抜けた場合には週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する109.35-40円程度までの戻りがあっても不思議はないだろう。
それに対してドルのサポートは、短期のボックスの下限に当たる106円半ば。割り込めば105.55円の年初来ドル安値が再び視界内に捉えられそうだ。

一方、材料的に見た場合、2月の消費者信頼感指数や同ISM製造業景況指数、10-12月期GDP改定値など、重要な米経済指標の発表が連日目白押し。また、前述したパウエルFRB議長の議会証言も行われる見込みであるなど、予断は許さない状況が続きそうだ。
また、それとは別に、日本勢による3月の年度末決算をにらんだ需給要因や、週末に実施されるイタリア総選挙、ドイツの連立政権樹立に向けた党員投票などに要注意か。英国を含めた欧州の政治要因をにらみつつ、ユーロ主導の値動きをたどるなか、ドルや円が上下に翻弄される可能性もある。

そんな今週のドル/円予想レンジは、105.50-108.50円。ドル高・円安については、過去1週間ほどのボックス圏の上限である108円レベルが最初の抵抗で、上抜ければ108.50-60円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、短期のボックスの下限に当たる106円半ばの攻防がまず注視され、割り込めば105.55円の年初来ドル安値が再び視界内に捉えられそうだ。(了)

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