<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場は、ドル安・円高。ザラ場ベースでは、一時106.30円レベルまで値を下げるなど、連日の年初来安値更新をたどっている。
ドル/円は106.90-95円レベルで寄り付いたものの、結局同レベルが日中高値となりドルは終日冴えない。ただ、前日までとは異なり、大きく一気に値を下げたわけではなく、本日はじりじりと下値を切り崩す動きだった。なお、後述する麻生財務相の発言が材料視され、ドル売り・円買いに寄与していたという。
ドルは日中安値の106.30円を付けたあとはやや底堅く推移するも、すでに上値は重く、戻りも106.60円程度まで。16時時点でのドル/円は106.40-45円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「幾つかの要人発言」。昨夜行われた日米首脳の電話会談で、「トランプ米大統領が日本企業の対米投資の拡大に期待を示した」と報じられるなか、当のトランプ氏から「会談で安倍首相が投資拡大に同意」との発言が聞かれていた。
また、別にマルパス米財務次官から「TPP11参加国との通商交渉の用意がある」、麻生財務相による「介入しなければいけないほど、急激な円高でない」、黒田日銀総裁「2%物価目標達成のため最も適切な政策実施していく」−−などといったコメントも観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日の本稿執筆時には、「しっかりと抜けてきたわけではない」とやや微妙な状況だったが、その後の値動きをみると、2016年12月以降、過去1年以上も形成し続けてきた長期ボックス圏の下限を完全に割り込んできた。ただ、レポートしたように、2016年安値の98.65円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しは106.30円で、本日もちょうど同レベルでドルは下げ止まっている。このあとも、引き続き攻防が注視されそうだ。
リスクがドル安方向に高いことは間違いないが、年初来高値113.38円を起点と考えても1ヵ月強のあいだに7円以上もドル安・円高が進行している。長いスパンは別にして、短期的にはそろそろ調整が入っても不思議はない。一時的なドルの戻りにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドルの下値については前述した2016年安値の98.65円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しにあたる106.30円の攻防にまずは注視。本日の東京時間も、ちょうど同レベルでドルは下げ止まっている。また、割り込んだ場合には105円前後がターゲットとなり、さらなるドル安進行も否定出来ない。
それに対するドルのレジスタンスは、107円半ばや一目均衡表の転換線が位置する108.25-30円などとなる。
一方、材料的に見た場合、本日も1月の生産者物価指数や同鉱工業生産、2月のNY連銀製造業景況指数といった重要な米経済指標の発表が予定されており、それらの内容には注意を払いたい。
また、予定という点ではとくに観測をされていないものの、為替市場で円高が進行しているなかだけに、米国を中心とした要人による発言には要注意。たとえば、ここのところ米貿易赤字に関する発言が聞かれているトランプ米大統領から「さらなるドル安が望ましい」−−などといった発言が出たりすれば、一気に105円台割れ、などといった展開も否定出来ないだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.50-107.00円。ドル高・円安方向は、106.60-70円に弱い抵抗、上抜ければ、東京高値の107円前後、107円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値も近い106.30円レベルの攻防がまずは注視されている。割り込むようだと、105円台突入、105円半ばなどを目指す展開も。(了)
オーダー/ポジション状況
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