ついに108円台へ、米要人の発言などに注意(1/25夕)

25日の東京市場は、引き続きドル安・円高。なかでも終盤にかけて、昨年9月11日以来となる108円台に突入するなど、終日を通してドルの弱さが目についた。

ついに108円台へ、米要人の発言などに注意(1/25夕)

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場は、引き続きドル安・円高。なかでも終盤にかけて、昨年9月11日以来となる108円台に突入するなど、終日を通してドルの弱さが目についた。

ドル/円は109.20円レベルで寄り付いたのち、しばらくはドルが小じっかり。109円半ば近くまで値を上げたものの続かず、その後は一貫してドル安・円高が進行している。
前日のNY安値を前後した108.90-00円では一度下げ止まったが、再び下値機運が高まると、日中安値である108.70円台まで続落。16時時点では、ドルがやや戻した108.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「米国の為替姿勢」に関する思惑など。前日に、ムニューチン米財務長官が「弱いドルは米国にとって良いこと」と発言し物議を醸したが、それについてロス米商務長官は「強いドル政策の転換を表明したわけではない」、サンダース米大統領報道官は「トランプ氏は変動相場を支持」−−と発言するなど、火消しの動きが相次いでいた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドルはあれよあれよという間に、108円台まで値を下げてきた。飽くまで個人的なイメージとしては、今秋に米中間選挙が予定されていることで、いずれ「選挙向けPR」の意味もかねて、米保護主義を前面に押し出した発言などが強まるだろうと考えてはいた。しかし、このタイミングでそうした動きが出てきたことは驚きだ。このあとも、いわゆるダボス会議でトランプ米大統領による講演が予定されており、発言がさらなるドル安進行のトリガーになる、などとした懸念の声も聞かれていた。
なお、本日の東京時間の夕方16時ごろにかけ、ドルが小反発に転じてきたものの、昨日そして一昨日も同様の値動きだった。ともにドルの戻りは「ダマシ」で、欧米時間にドル安が再燃しただけに、追随的なドル買い戻しにも警戒しておきたい。

テクニカルに見た場合、一目均衡表など下方向のテクニカルポイントを次々と割り込み続落、22日の高値111.22円から、すでに2.5円程度の下落をたどっている計算になる。ただ長い目で見た場合はともかく、短期的には売られ過ぎの域に達してきた感も否めない。そうした意味では、調整の動きにも一応要注意だが、基本的なリスクは引き続きドル安方向。流れとしては、昨年9月安値107.32円に向けたドルの続落に要注意だ。

一方、材料的に見た場合、12月の新築住宅販売件数などの米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債の入札が実施される予定となっており、それらにまずは要注意。
ただ、それよりむしろ注目されている要因が2つある。ひとつは、欧州ファクターだが、「ECBによる金融政策の発表ならびにドラギ総裁による会見」で、もうひとつは「トランプ米大統領によるダボス会議参加」になるだろう。後者について、明26日に実施する大統領自身の講演が最大の注目材料ながら、本日は「欧州の企業幹部を招いて夕食会を開き、米国への投資を呼び掛ける」予定とされている。先行する格好で、参加者などの発言が思惑を呼ぶ可能性も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.30-109.80円。ドル高・円安方向は、東京高値に当たる109円半ばの攻防をまず注視。抜ければ、110円回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の108.70-75円が最初のサポート。割り込めば、強いサポートは昨年9月安値107.32円まで見当たらず、下値余地が拡大しかねない。(了)

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