ムニューシン発言でドル全面安(18/1/25)

円高が加速しています。9日の買いオペ減額、23日の日銀会合と今年も日銀が何かすると円高という動きが続きますが、

ムニューシン発言でドル全面安(18/1/25)

ムニューシン発言でドル全面安

円高が加速しています。9日の買いオペ減額、23日の日銀会合と今年も日銀が何かすると円高という動きが続きますが、昨日も東京前場から前日の流れを受けてドル売り・円買いが続いていたところに欧州市場に入ってのムニューシン発言です。

ムニューシン財務長官は、就任当初はこれまでの財務長官と同様に強いドルは国益と述べ、いっぽうでドル安を望むトランプ大統領の顔色を見て短期的なドル高は望ましくないといったスタンスでした。しかし、昨日の発言は「ドル安が米国の貿易にとって良い」、「短期的なドルの動向には関心が無い」と、明確に舵を切った印象を与えました。つまり、弱いドルは国益と述べているに等しいと考えられます。

この動きは税制改革が一段落し、次のターゲットが通商政策改革となったと考えられるでしょう。詳細は2018年のドル円見通しのコラムを参照していただければと思いますが、中間選挙を11月に控え、夏ごろまでは共和党に有利に働く目玉政策を売ってくるはずです。その中でも公約となっている不均衡是正に対し、安易な為替調整を利用する可能性が垣間見えるのが昨日のムニューシン発言だと考えられます。

米国が前回大規模な税制改革を行ったのは、レーガン大統領の時代です。1981年に就任直後から迷走した感はあるのですが、減税と増税を繰り返し、そうした中で2期目の1985年には財政赤字と貿易赤字との双子の赤字に苦しみ、後者の貿易赤字の解消に向け強いドルから弱いドルへと方針を転換、同年9月のプラザ合意というドル切り下げの為替調整に至りました。

人物的にも政策的にも当時との類似を指摘する声もある中、時代が違うとあまり真剣に考える人は少なかったと思いますが、歴史は繰り返すとも言います。昨日のムニューシン発言が今後のホワイトハウスの方向性を示すものだとしたら、かなりの注意が必要です。ひょっとしたら、昨年同様に今年のドル高値は既に見ていて、ドル安・円高の流れへと向かう可能性がやや高まってきたように感じています。

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