<< 東京市場の動き >>
10日の東京市場は、ドル安・円高。夕方にかけ、形成しているボックス圏の下限である112円割れを試すなど、ドルは一段安の様相をみせた。
ドル/円は112.60-65円で寄り付いたのち、当初はじり高推移。日中高値である112.80円近くまで一時値を上げた。しかし、上値は重く上げ渋ると、一転してドル売り・円買いが優勢に。途中ストップロスを巻き込みつつ、昼前には112.10円台まで急落している。
そののち、一旦は持ち直すも、夕方にかけてドル安が再燃。日中安値である112.08円を記録し、16時時点では112.10-15円の安値圏で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、本日も「北朝鮮」関連の情報。たとえば、韓国の文大統領から「外交・軍の最終的な目標は戦争回避」「南北首脳会談の用意がある」との発言が聞かれていた反面、小野寺防衛相はハリス米司令官と会談するなかで、「米韓軍事演習は五輪後に実施」とし、北朝鮮に圧力をかけ続ける方針が確認されたという。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末にかけて一時113円台を回復、レンジの上抜けが期待されたものの失敗に終わるなか、足もとは逆にレンジの下限割れ機運が高まっている。本稿執筆時の東京夕方、早出の欧州勢が取引に参入し始める時間帯になり、ドル/円は再び112円割れをうかがう様相に。
もちろん、勢いからすると可能性も否定は出来ず、その場合には昨年11月安値の110.84円がやや長い目で見たターゲットか。ただ、昨年12月以来、何度かレンジブレークのチャンスをもらったにもかかわらず、チャレンジはことごとく失敗に終わってきただけに、今回もいまひとつ信じきれない面がある。下値トライ失敗に終わるなかでの、ドル反転高にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、前日112.80円レベルに位置した一目均衡表の先行帯の雲の上限を割り込んできたことに続き、本日は同下限(112.35-40円)を下回っての推移となっている。基本的なリスクは下方向だが、問題は「攻防の分岐点」である112円レベルを割り込めるかどうか。また、割り込んだとしても111.70円レベルには移動平均の200日線が位置しているだけに底堅く、一時的なものに留まるような、いわゆる「ダマシ」で終わる危険性も取り沙汰されていた。ザラ場ベースはもちろんのこと、NYクローズレベルにも着目してみたい。
一方、材料的に見た場合、米経済指標は12月の輸出入物価指数が発表されるぐらいで、重要とされるものは見当たらない。ただ、本日も米地区連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁やカプラン・ダラス連銀総裁などによる討論会参加が予定されており、そちらは要注意かも知れない。地合いがドル安・円高となっているだけに、ハト派的な内容などが示された場合には、ドル一段安に向けたキッカケになる可能性もありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.50円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間に割り込んできた一目の雲の下限が位置する112.35-40円が最初の抵抗。抜ければ同上限の位置する112.80円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、まず112円レベルの攻防に注意で、その少し下の111.70円レベルには移動平均の200日線が位置している。それらを「しっかり」と割り込むようだと、昨年11月安値110.84円が視界内に入ってくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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