ドル円方向感出ず。日米国債利回りの上昇で(1/10朝)

9日の海外市場では昨日日銀が超長期国債の買い入れ額を減額した余波が継続、

ドル円方向感出ず。日米国債利回りの上昇で(1/10朝)

ドル円方向感出ず。日米国債利回りの上昇で

9日の海外市場では昨日日銀が超長期国債の買い入れ額を減額した余波が継続。
減額により日本の20年国債で0.01%30年国債では0.015%金利が上昇したことを受けて、東京時間から米国債にも売りが広がり10年物の米国債利回りは一時2.5%を越える局面がありました。
予想外の日銀の「量的緩和縮小」行動は米国時間でもサプライズと受け止められ、米国時間にさらなる米国債の売りを招き、10年物の利回りは前日比0.07%上昇し2.55%と昨年3月以来の水準をつけています。

ドル円はこの動きを受けて日中円高に触れ112円台半ばに下落しましたが、米金利の上昇で反発。ロンドン時間には112.97まで値を戻したものの、その後は方向感を失い一時112.37まで下げた後東京時間7:00現在は112.65レベルでの取引です。

日銀の資金操作が米国の国債、長期金利市場にここまでの影響を与えたケースはあまり記憶にありません。欧州債利回りも軒並み上昇しましたが、上げ幅は3-5bpと米利回りに比べ小さく軟調なユーロの頭を抑えた形となりました。

実際には日銀は所謂「ステルステーパリング」の形でこれまでも国債買い入れ額の減額を行ってきていますが、昨年後半以降米欧が金融緩和縮小の動きを鮮明にする中で日銀の金融緩和継続方針が際立って見えていただけにこのタイミングでの日銀の「方向転換」が意外感を持って受け入れられた模様です。
日本の長期金利の上昇幅に比べ昨晩の米欧の長期金利のほうがはるかに大きく上昇したものの、金利の絶対水準の違いや、「方針変更」のインパクトから対ドル、対ユーロともにやや円買いとなっています。

昨晩は海外勢がやや材料消化不良のまま動いた部分もあり、また、日銀は従来の操作の延長線上の行動をとっているに過ぎないことから今後大きな動きにはつながらないと見られます。ただ、今回海外の市場参加者の日銀の政策に対する見方が大きく変化した可能性も否定できず注意は必要です。

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