<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、112円前半で一進一退。前日、一時112円割れをうかがう局面も見られたが、結局下回れず。本日も同様の値動きで、そうした意味では底堅かった。
ドル/円は112.25-30円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。新規材料に乏しいうえ、東京が正月休みで休場とあって、本日も引き続き参加者は少なく、動意は鈍い状況だった。終日を通して112円前半、30ポイントにも満たない狭いボックス圏で一進一退するなか、16時時点では寄り付きレベルとほぼ同じ112.30-35円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、本日も「北朝鮮情勢」。年末年始から関連情報が幾つか飛び交うなか、ヘイリー米国連大使は「北朝鮮が新たなミサイル発射を準備している可能性があるとの情報を耳にしている」と発言、また米CBSニュースも「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を準備している」と報道し、一部で話題を集めていたという。
また、トランプ米大統領は、北朝鮮の金朝鮮労働党委員長が米本土の攻撃可能な核弾頭搭載のミサイルを実戦配備したと先日宣言したことへの返答として、「わたしも核のボタンを持っていると彼(金正恩氏)に知らせてくれ」「わたしの核兵器はもっとパワフル」などと、自身のツィッターに書き込んだことが明らかになっている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、クリスマス前後から推移していた112円半ばを昨日下方向にブレークしたものの、攻防の分岐点である112円レベルは割り込めず。結局、大きな意味では依然としてボックス内での揉み合いが続いている状況だ。
しかし、112円レベルを下限としたレンジ取引はすでに1ヵ月にも及ぶだけに、そろそろしっかりとした次の方向性が示されてもいいだろう。仮に112円を下回った場合には、11月安値の110.84円が次のターゲットとなるものの、前述したようなレンジを形成している期間の長さなどを考慮すると、110.84円は「通過点」で、最終ターゲットは110円以下ということにもなりかねない。
テクニカルに見た場合、前回レポートした昨年末時点と様相が一変している。たとえば、一目均衡表では、日足が先行帯の雲の上にあった状況から、現在は雲の下限の下に位置するという状況に変わってきた。これには、レンジ内とはいえドルが値を下げているという要因も大きいが、先行帯の雲が「捻じれ」を経て、レベルを下げているということも無視できない。今後、雲の下限がドルのレジスタンスとして寄与するのかどうか、そのあたりの動きを是非とも注視してみたい。
なお、前回に12月の最終営業日ということでレポートした「変動率・変動幅」だが、予想通り12月の月間変動幅は2.35円で昨年の月間最小変動幅となっただけでなく、年間変動率も10%以下(過去の平均はおよそ17%程度)となり、一年間を通して歴史的な小変動に留まったことが再確認されている。
一方、材料的に見た場合、1月のISM製造業景況指数など幾つかの米経済指標や、12月12-13日に実施されたFOMC議事録が公開される予定となっており、それらはもちろん要注意。とくに後者は、低インフレへの警戒や来年以降の慎重な利上げペースが再確認されると、足もとの地合い的にもドル安を加速させる可能性も取り沙汰され、警戒されていた。
そのほか、欧米勢はクリスマスとニューイヤーを過ぎ、参加者が本格的に戻ってきている環境下、月が替わったことによる新規投資などによる需給要因の変化にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.80-112.80円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の先行帯の雲の下限が本日位置する112.40-45円の攻防にまずは注視。抜ければ、同上限が位置する112.80円レベルがターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、攻防の分岐点で昨日や本日東京でも下回れなかった112円が依然として強いサポートに。割り込むようだと、移動平均の200日線が位置する111.65-70円が視界内に捉えられかねない。(了)
オーダー/ポジション状況
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