<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場は、ドルが小高い。値幅そのものは30ポイント強と広くなかったが、「寄り付き安・大引け高」で、緩やかなドル高・円安が進行している。
前日NYの流れを継ぎ、ドル/円は112.35-40円の安値圏で寄り付いたものの、そのあとはドルがしっかり。揉み合いながらも下値をじりじりと切り上げる展開となり、終盤には112.65-70円まで値を上げた。16時時点でも、日中最高値圏の112.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、幾つかの要人発言。昼ごろに「安倍首相、黒田日銀総裁と会談」と報じられ、そののち日銀総裁から「世界経済の現状と展望について話した」「為替相場の水準について具体的なコメント控える」との発言が聞かれていた。また、トランプ米大統領から「ロシア疑惑捜査は不公平」、NZ中銀総裁代行からも「物価安定で信認を保つことが重要」との発言が観測されている。
なお、豪中銀が政策金利の据え置きを発表するとともに、「低金利は豪経済を引き続き支援」との声明を明らかにしている。
<< 欧米市場の見通し >>
いわゆるロシア疑惑、「ロシアゲート事件」がドル上昇の足かせになっている反面、米下院に続き上院でも可決を見た「税制改革案」への期待がドルの買い要因に。強弱材料が拮抗し、鍔迫り合いとなっているようだ。
ただ、先月末ぐらいからの値動きを見ると、「東京時間はおおむね強気」の一方で、「欧米時間は逆にやや弱気」の感がうかがえる。少なくとも、欧米は東京ほど強気一辺倒ではないイメージだ。チャート的にも、昨日早朝に空けた112.15-65円のギャップを埋めにかかったが、しっかりと埋め切れなかっただけにドルの下値機運もつきまとう。引き続き、上値における追随的なドル買いには注意を払いたいところだろう。
テクニカルに見た場合、前日NY時間に113円台を回復したが、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置した113.10-15円で上げ止まり、流れが反転した。本日も一目の雲の上限が再びレジスタンスとして寄与する可能性を否定出来ない。ちなみに、そんな雲の上限は本日113.15-20円と、昨日よりわずかにアップしたレベルに位置しているようだ。
それに対する下値メドは、昨日早朝に空けた112.15-65円レベルのギャップ。本日の早朝までに半分程度埋めてきたが、まだ112.15-35円レベルにギャップが空いている。足もとのドル強気から一転し、再びギャップ埋めを試す展開にも一応要注意。
一方、材料的に見た場合、10月の貿易収支や11月のISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっており、まずはそれらが注目されている。
また、現在も実施中の米韓演習への反発姿勢を強める「北朝鮮情勢」や、「ロシアゲート事件をめぐる動き」などにも引き続き要注意。ちなみに前者に関し、国連事務次長が5-8日の日程で北朝鮮の首都平壌を訪問し、李外相らと会談するほか、後者については、ロイターが関係筋の話として、「トランプ米大統領の長男であるトランプ・ジュニア氏が6日、大統領の元ビジネスパートナーでロシア系米国人のフェリックス・サター氏が7日に、下院情報特別委員会で証言を行う予定」と報じている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.10-113.20円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の雲の上限が位置する113.15-20円、フィボナッチのポイントが位置する113.25円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ、114円近くまでの続伸も。
対するドル安・円高方向は、前述したようにいまだ下方向に空けたままのギャップ、112.15-35円の攻防が注視されている。しっかりと埋めきれば、112円割れも視界内に。(了)
オーダー/ポジション状況
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