ドル円 足もと底堅いがリスクはドル安方向か(11/21夕)

21日の東京市場は、レンジ取引。112円後半を中心とした狭いボックス内での一進一退に終始し、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル円 足もと底堅いがリスクはドル安方向か(11/21夕)

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場は、レンジ取引。112円後半を中心とした狭いボックス内での一進一退に終始し、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円は112.60円レベルで寄り付いたものの、新規材料に乏しいこともあり、積極的な動意は見送られている。112.50-70円といった、わずか20ポイント程度のレンジ取引となり方向性が乏しいなか、夕方にかけて112.40円台へ片足を突っ込む展開となったものの、大きく値を下げることもなかった。日中安値は112.40-45円レベルまでで、16時時点ではドルの安値圏である112.45-50円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたもののひとつは、北朝鮮情勢。前日のNY終盤にトランプ米大統領が「北朝鮮をテロ支援国家に再指定する」と発表したことを受けて、安倍首相など日韓政府関係者による歓迎コメントが聞かれた反面、小野寺防衛相からは「北朝鮮の強い反発が想定され、新たな挑発行動に出ることは否定できない」との発言が示されたほか、北朝鮮の労働新聞は「トランプは共和国の法に従って最高の極刑に処さねばならない」と強硬な論調を掲載していた。
それとは別に、ドイツの公共放送が「メルケル氏、連立協議決裂で再選挙を主張」と報じている。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日の東京時間に111.89円の直近安値を記録し、ズルズルと続落するかと思いきや、その後の欧米時間にドルは大きく反発に転じている。しかし、米感謝祭を前に引き続き調整が入りやすい環境に変化はなく、材料的にもドルの弱材料が少なくない。リスクという点では、依然として下方向にバイアスがかかりそうだ。
ただ、昨日記録した目先安値に合致する111.90円レベルは、9月安値を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押しに当たるテクニカルポイント。その少し下、111.70-75円には移動平均の200日線が位置していることもあり、引き続き底堅い値動きを予想する声も少なくない。

テクニカルに見た場合、やや気になるのはチャートの形状か。一部市場筋のあいだでは、目先高値114.73円を中心としたシンメトリー(左右対称形)をたどる可能性も取り沙汰されている。確かに、昨日安値111.89円は10月16日安値111.65円に匹敵するレベルとも考えられ、これが確かならば今後は112円台を中心に、111.50-113.50円程度のレンジで揉み合い相場をたどる可能性も否定出来ないだろう。動静を見守りたい。

一方、材料的に見た場合、10月のシカゴ連銀全米活動指数や同中古住宅販売件数といった米経済指標の発表が予定されているほか、米財務省変動金利2年債入札も実施される見込みだ。それらは当然要注意。
また、加えて継続案件である「米税制改革の行方」「ロシア・ゲートをめぐる問題の進展状況」などのほか、トランプ政権が昨日テロ国家指定をしたことによる北朝鮮の反発、具体的な行動に出る可能性などにも注意を払っておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.90-113.00円。ドル高・円安方向は、まず本日東京高値の112.70-75円が最初の抵抗。ただ、抜けても一目均衡表の転換線が位置する113円前後をはじめとしてテクニカルポイントは多い。上値は重いか。
対するドル安・円高方向は、下方向の112円台に強いサポートは多くなく、少し遠いが昨日の東京時間に記録した目先のドル安値111.89円の攻防に注目だ。同レベルは前述したようにフィボナッチにおいても、なかなか強いサポートとなっている。(了)

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