地合いはいまだ不安定、レンジ取引継続も(11/8夕)

8日の東京市場は、一時ドル安に振れるも「行って来い」。113円台後半を中心とした40ポイント弱のレンジ取引ながら、上下に振れるなかなかの荒れ相場だった。

地合いはいまだ不安定、レンジ取引継続も(11/8夕)

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場は、一時ドル安に振れるも「行って来い」。113円台後半を中心とした40ポイント弱のレンジ取引ながら、上下に振れるなかなかの荒れ相場だった。

ドル/円は寄り付いた113.95-00円を日中高値に、当初は弱含み推移。113.65円前後まで値を崩したものの、そのレベルでは底堅く下げ渋り。その後は再びドル買いが優勢になると、夕方にかけては113.90円台を回復、いわゆる「行って来い」となった。16時時点では113.85-90円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか昨日大幅高をたどった日経平均株価は、本日小安い。前日比23円安で大引け、連日の高値更新はならなかった。

一方、材料的に注視されていたもののひとつは、アジアを歴訪しているトランプ米大統領に関するニュースや発言と、それに絡む北朝鮮情勢。たとえば、「米大統領、韓国の非武装地帯の電撃訪問を取りやめ」との報道やトランプ氏自身から「米国の都市が脅威にさらされることは許さない」−−などといった発言が観測されている。
そのほか、米ニュージャージー州知事選の結果が発表され、「民主党のマーフィー氏が勝利」したことがあきらかになったほか、宮崎市で講演を行った布野日銀委員から「強力な緩和を粘り強く推進していくことが重要」との発言が別途聞かれていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

大きな流れはドル高方向で間違いはないものの、イケイケドンドンで上値を試すような基調にないようだ。地合いはまだまだ不安定であり、上値トライより先、短期的には調整が先行するとの見方も少なくない。
そうしたなか、ドル高の重石となりそうな要因として急浮上してきたのが「米法人税減税の延期論」。紆余曲折があったにせよ、最近ではトランプ大統領肝煎りの「20%への引き下げ」論が優勢となっていたなか、ここにきて「上院共和党指導部が法人税減税の実施時期を1年延期することを検討」(米紙ワシントンポスト)しているもようだ。加えて、次期FRB議長人事は先日決着が付いたものの、今度は「NY連銀総裁が前倒し辞任」することが明らかになったほか、「ロス米商務長官を筆頭にしたパラダイス文書をめぐる疑惑」などの問題も聞かれており、今後の動き如何では予断を許さない。

テクニカルに見た場合、過去半年余りの強い抵抗帯である114円半ばを一時上抜けたものの、115円には届かず、ドルの上値トライも出直しとなった感を否めない。
もっとも、ドルの下値も堅そうで、時間足など短期のチャートをみると113.65-70円がサポートとして寄与している様相がうかがえるだけでなく、その少し下の113.50-55円もなかなか強いテクニカルポイントか。一本調子の上値トライも予想しにくいが、一気にドル安が進展する展開も見込みにくいだろう。

一方、材料的に見た場合、目立った米経済指標の発表やFRB関係者による講演などは予定されていない。そうした意味では、やや動きにくい雰囲気にあると言えるかも知れない。
しかし、米10年債の入札実施やトランプ米大統領の訪中、先でも取り上げた広がりを見せる「パラダイス文書」をめぐる動きなどには注意を払いたい。なかでもトランプ氏の訪中については、大統領が中国に対して対北対応で強い不満を抱いているうえ、膨大な対中貿易赤字を是正したいという思惑も取り沙汰され、会談などは激しいやり取りとなることが確実視されている。よって、伝えられる内容次第では相場の波乱要因に!?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.30-114.30円。ドル高・円安方向は、まず本日東京高値の114円レベルで、抜ければ昨日高値の114.34円、さらには114.74円などがターゲット。
対するドル安・円高方向は、ザックリ言って過去1週間程度のドルのサポートとなっている113.50-70円レベルの攻防にまずは注視。ただ、113円台前半にもサポートは多く、底堅いイメージだ。(了)

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