パウエルFRB新議長指名
前日にWSJ紙に出た観測記事通りですが、トランプ大統領はパウエルFRB理事を第16代FRB新議長に指名しました。候補者はイエレン議長、パウエル理事、テイラー教授の3人に絞られていたようですが、ホワイトハウスはイエレン議長の功績である金融緩和からの脱却、株高と景気回復は評価するものの、オバマ政権が指名した議長ということから共和党の反発もあり、共和党の支持を得やすく現FRBの流れを継続するパウエル理事の昇格となりました。
エコノミスト以外の議長誕生は40年ぶりとなりますが、パウエル理事の金融政策のスタンスは「中立」とイエレン議長ほどのハト派ではないものの、少なくとも現行の政策を継続することは間違いなく、そうした点では何のサプライズも起きないでしょう。政治的な理由が無ければ、イエレン議長から変える必要性はまったく無かった人事です。また、2018年の輪番制による地区連銀総裁のメンバーは既に決まっていますので、あとは上院の承認待ちであるクオールズ副議長、そしてもうひとり新たな副議長が指名される可能性があり、出揃ったあたりで2018年以降のFRBの変化の可能性が話題となるかもしれません。
ちなみにFRBの理事の前職は公表されていますが、パウエル新議長はカーライルグループの出身、承認待ちのクオールズ副議長もカーライルグループの出身です。米国の場合、特定の企業からの出身者が目立つことはよくありますが(ゴールドマンサックス出身の財務長官など)、そもそもエコノミスト以外の議長が珍しいのに正副議長が同じ企業の出身の組み合わせというのは初めだと思われます。
カーライルグループ(世界規模のプライベートエクイティファンド)のためにといったことは起こり得ないにしても、二人が同じ投資会社出身というのは考え方(資本市場との対話がうまい?)に似た面が出る可能性もあるかもしれないと思いました。今後、2018年のFOMCメンバーが全て決まったら、改めて2017年からの変化について考えてみます。
オーダー/ポジション状況
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