ドル円レンジブレークなるか米雇用統計を注視(11/3夕)

3日の東京市場は、114円挟みの凪相場。東京が休場となったこともあり、終日を通した価格変動はわずか20ポイント程度に留まるなど、

ドル円レンジブレークなるか米雇用統計を注視(11/3夕)

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場は、114円挟みの凪相場。東京が休場となったこともあり、終日を通した価格変動はわずか20ポイント程度に留まるなど、動意らしい動意はほとんどうかがえなかった。

ドル/円は114.05-10円で寄り付いたものの、積極的な動意に乏しい。東京市場が休場となるなか、NYタイムに注目の米雇用統計が発表されるため、マーケットは手控えムードが強かった。114円挟みで方向性らしい方向性はうかがえず、動意は欧米時間に持ち越しとなった感を否めない。15時半時点では、113.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、動きの鈍いドル/円を横目に豪ドルは、やや荒っぽい値動き。早朝に発表された豪小売売上高が失望を誘う内容だったことが嫌気され、薄商いのなか対円では87.90円前後から87.50円台へと一気に値を下げる局面も観測されていた。

一方、材料的に注視されていたもののひとつは、北朝鮮情勢。前日のNYタイムに韓国の情報機関が「北朝鮮がミサイル発射の可能性」と報じるなか、「米爆撃機が朝鮮半島で日韓と合同訓練実施」したことが明らかになったうえ、マクマスター米大統領補佐官から「北朝鮮をテロ支援国家に再指定も」との発言が聞かれている。さらに、朝鮮中央通信は「北朝鮮が米爆撃機の朝鮮半島出撃を非難」と報道していたものの、いずれも決め手に欠いている見方から、マーケットへの影響は限定的だった。

<< 欧米市場の見通し >>

ここ2週間程度を振り返っても、ドル/円相場は103.00-104.50円といったボックス圏を形成し、明確な方向性はうかがえない。もうしばらくは、そんなレンジ取引が続く公算が大きいものの、本日の欧米タイムは注目材料が少なくなく要注意だ。なかでも、最大の注目材料は10月の米雇用統計で、如何なる数字となるのか、前述したボックス圏を脱却する起爆剤として注視されていることは間違いない。
なお、この週末以降、来週にかけてはトランプ米大統領のアジア歴訪が予定されている。そこで「対北」や「貿易問題」などで如何なる議論がなされるのかも要注意だが、訪日や訪韓にあわせ、北朝鮮がミサイル発射などの挑発行為に動く可能性も取り沙汰されている。今週末の状況次第では、来週月曜日は寄り付きから波乱含みに!?

テクニカルに見た場合、短期的な方向性は乏しいが、大きな流れは依然としてドル高方向にバイアスがかかりそう。ただ、再三再四指摘しているように、足もとだけでなく今年5月以降は114円半ばレベルが強い抵抗となっている感がうかがえる。仮に、発表される米雇用統計などが好数字となった場合、114円半ばの抵抗を抜けることが出来るのかどうか、その一点が注視されている。
ちなみに、超えた場合には115円台をうかがう展開が予想される反面、抜けきれなければ来週以降、本格的なドル高の調整局面入りすることもありそうだ。

一方、材料的に見た場合、幾つかのポイントがあるものの、もっとも注目されるものは10月の米雇用統計発表か。そのなかでも関心の高い非農業者雇用数はプラス31万人程度とかなり強気の数字が見込まれている(前月はマイナス3.3万人)。確かに、相関性の高さが指摘されるADP雇用統計は改善傾向を示しており、それが本日の雇用統計の強気見通しにも影響している感を否めないが、逆に強過ぎるぐらいの数字ともいえるだけに、たとえ好数字が発表されても、マーケットの失望を誘う可能性はないでもない。
さらに、いみじくも先月がそうだったが、非農業部門雇用者以外の数字や前月などの修正分がマーケットの波乱要因になることも最近は決して少なくないだけに、そうした動きにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.20-114.70円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値である114.28円が最初の抵抗で、超えても114円半ばはここ半年程度の強い抵抗帯だ。一本調子に抜けていくことが出来るのか、微妙な面も指摘されていた。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の転換線が位置する113.65-70円、昨日安値113.55円の攻防が注視されており、割り込めば113円前後がターゲットになりそうだ。(了)

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