ドルの下値不安が台頭、続落にも要注意(10/31夕)

31日の東京市場は、113円挟みのレンジ取引。前日のNYタイムに大きく値を下げ、ドルは続落が懸念されたが113円前後では下げ渋り、底堅いイメージも。

ドルの下値不安が台頭、続落にも要注意(10/31夕)

<< 東京市場の動き >>

31日の東京市場は、113円挟みのレンジ取引。前日のNYタイムに大きく値を下げ、ドルは続落が懸念されたが113円前後では下げ渋り、底堅いイメージも。

ドル/円は113.15-20円で寄り付いたが、注目材料のひとつである日銀会合の結果発表などをにらみ、総じて手控えムードだった。昼過ぎに注目の日銀会合の結果が「金融政策の現状維持を8対1で決定」と発表され、前後して一時上下動をたどるも、目立った変動といえばその程度。以降は再び動意が止まると、113円挟みの狭いレンジ内での揉み合いに。
夕方にかけては、黒田日銀総裁から「引き続き強力な金融緩和を粘り強く進めていく方針」との発言が聞かれたが新味が乏しいとの見方からか影響は限定的。16時時点では、113.05-10円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料として話題になっていたものは、前述した日銀会合に関する要因を除くと、北朝鮮情勢。今週末にかけて実施されるトランプ米大統領の日韓などアジア歴訪を前に、北朝鮮が神経を尖らせているさまがうかがうる。たとえば、本日も朝鮮中央通信が、北朝鮮の2団体による声明として「トランプ政権が挑発に明け暮れるなら、米国の完全破滅という残酷な結果だけを招く」と威嚇したと報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日の欧米時間、予想外とも言えるドルの下押しが観測されている。筆者は昨日、「今週は注目材料が少なくない」としたうえで、「とくに」となると「次期FRB議長人事」と「米雇用統計の発表」−−の2つを挙げたのだが、新たに2つの要因が急浮上、それも「ドルの懸念要因」が台頭した感を否めない。
ちなみに、新たに指摘されている2つの懸念要因とは「再燃したロシア疑惑」と「難航する米法人減税問題」になる。後者については、11月1日の下院歳入委員会による税制改革法案の公表を控え、本日も報道や思惑などには注意を要する気がしないでもない。

テクニカルに見た場合、長いスパンで見たドル高基調に変化はないと見ているが、今年5月以降は大雑把にいって114円半ばが強い抵抗となっており、今回も同レベルで上値を抑制され、ドルは反落に転じている。
ドルの下値については、移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する112.85-00円の攻防がまずは注視されるところで、割り込むようだとやや遠いが同200日線が位置する111.70-75円がターゲットに。ちなみに、同レベルは9月安値107.32円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにもあたる。非常に強いサポートと言えるかも知れない。

一方、材料面ではこのあと、8月のS&Pケースシラー住宅価格指数や10月のシカゴ購買部協会景気指数、同消費者信頼感指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっているほか、明日までの予定でFOMCも開催される見込みだ。それらは当然要注意。
なお、ここ1-2週間、マーケットで思惑を読んできた次期FRB議長人事は、「ハト派のパウエル議長誕生」でほぼ織り込まれてきた。「逆転でテイラー議長誕生」などといったことにならない限り、正式決定がなされても影響は限定的か。とは言え、前述したように「難航する米法人減税問題」など新たな材料が聞かれているだけに、それらに関する報道などにもしっかりと注意を払いたい。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.50-113.70円。ドル高・円安方向は、東京高値の113.30円レベルが目先の抵抗で、抜ければ今週高値の113.80円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、しっかりとは割り込めず一抹の底堅さをうかがわせる113円レベルをめぐる攻防がまずは注視されている。ただ、割り込んでも112.85円レベルにかけて複数のテクニカルサポートが存在しており底堅そう。(了)

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