ドル円114円台、慎重なQE縮小でユーロ急落
昨晩の海外市場でドル円はもみ合いながら上昇、再び114円台に乗せてきています。
昨晩注目されたECB理事会では市場の予想通りECBは来年の債権購入プログラムを月間300億ユーロに縮小した上で9ヶ月延長する方針を明らかにしました。
内容的には市場のコンセンサスと完全に一致したものでしたが、ステートメントやドラギ総裁の記者会見では購入済みの債券が満期を迎えた分については元本を再投資することや、経済情勢に異変があった場合にはいつでも購入金額や、購入期間を増やす可能性があることなどを強調するなど、従来と同じながら可逆性、柔軟性を強調する内容。
ドラギ総裁が今回の決定をテーパリングではなくあくまで量的緩和のダウンサイズであり、債券の買い入れにも最終的な期限を設けないなどと発言したことから、市場はこれをややハト派的と解釈し、事前にややユーロ買いに傾いていた市場は一気にユーロ売りに転じ、昨日一時1.18台に乗せていたユーロドルは一時1.1641まで下落、高値安値の落差は170pipsを越える荒い展開となりました。
また、昨晩同じく注目されたカタルーニャ州情勢については、プチデモン州首相は独立宣言を見送り、判断を議会にゆだねましたが、スペイン政府から州議会選挙を正常な環境で行うために必要な保障が得られていないとして州議会選挙の受け入れも拒否しました。州議会では賛否両論が紛糾し結論は出ず、本日再度独立宣言について審議が行われる予定です。同日にスペイン政府も上院本会議でカタルーニャ州の自治権一部停止に向けた採決を実行する予定で、再び緊張感が高まっています。
一方米国では昨晩下院で税制改革に向けた予算決議案を僅差で可決、トランプ大統領は「大ニュース、予算がたった今通過!」とツイートして喜びを表現しました。市場は税制改革法案が共和党単独で可決可能となったことを好感、米ドルは幅広く上昇し、NYダウも再び上昇に転じています。ドル円はユーロ、ドル双方の動きに上下しながらも徐々に値を上げ、一時114.08まで上昇しアジア時間早朝は114円がらみで取引されています。
昨晩はユーロが主体の動きとなり、ユーロ円も日中の134円台半ばから133円割れの水準まで大幅に下落したことから、ドル円の上昇は相対的に穏やかなものとなりました。
ECB理事会が終了し今後関心が米国経済の先行きに戻ってくる中で、ドルに対する前向きな材料がやや目立つようになっており、ドル円は7月高値114.49を目指す動きです。
この後8:30からは本邦消費者物価指数の発表があり、全国の9月のコア指数は前年同月比0.7%の上昇を見込んでいます。
オーダー/ポジション状況
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