ドル円 114円到達から一旦下げるも切り返す(10/25)

NYダウは前日比167.8ドル高の2万3441.76ドルへ上昇、わずか1日置いて史上最高値を更新した。昨年11月からのトランプラリーは継続している。

ドル円 114円到達から一旦下げるも切り返す(10/25)

<概況>

10月22日の総選挙にて政権与党が勝利したことを好感してドル円は23日朝に114.10円の高値を付けたが、この一段高値でひとまず材料消化として反落、24日未明には113.24円をつけ、朝の高値からは1円近い下落となってた。総選挙情勢を踏まえて安倍政権続投期待=日銀の金融緩和政策及び株買い支え政策の継続期待を先取りして日経平均が連日連騰、ドル円もやや遅れて追従に入って7月11日高値114.494円以来となる114円台に到達したわけだが、ひとまずイベント通過で利食い優先となって反落した状況であった。
しかし、今度はドル高の本線から上昇を再開、NYダウが1日置いて史上最高値を更新、次期FRB議長人事をめぐって候補者内ではタカ派とされるテイラー教授が有力との報道もあって米債券市場では長期債下落=利回りは上昇となり、金利面、ドルの先高感が一回り拡大したとの市場心理によりドル円も巻き返し、再び114円に迫ってきているところだ。

【株高、米長期金利上昇、米連銀議長人事】

NYダウは前日比167.8ドル高の2万3441.76ドルへ上昇、わずか1日置いて史上最高値を更新した。昨年11月からのトランプラリーは継続している。20日の米上院での予算決議が後押ししているが、株高そのものを背景に企業業績も好調であり、史上最高値更新が続く中で「(株高を享受できない)持たざるリスク」、買いが買いを呼ぶバブル的な上昇が続ている。
日経平均も過去最長となる16連騰。総選挙情勢を踏まえて安倍政権続投、日銀の金融緩和継続、株買い支え継続期待を先取りして大上昇してきているが、欧米、日本の株高がリスクオン心理を助長していることが、10月16日からのドル円上昇の大きな背景となっている。

2月に任期満了となる米連銀FRBの議長人事について、トランプ大統領はアジア歴訪前に決めると公言してきたが、この日は上院共和党議員の意見聴取もあり、候補者の中でタカ派とされるスタンフォード大学のジョン・テイラー教授が有力となっているとの共和党有力議員談がブルームバーグ社で報じられ、米国長期債下落、利回り上昇の材料となったが、米30年債利回りは3カ月ぶり、2年債利回りは9年ぶりの高水準へ上昇した。米長期金利上昇は安定的に低水準にある日本の長期金利との乖離拡大によりドル買い円売りを助長する。

26日にはECB理事会がある。これまでの流れでは「秋に金融緩和政策を見直す」とドラギ総裁が発言してきたことを踏まえ、年末までは継続される現行の量的金融緩和規模が来年以降はさらに縮小してゆく方針が示される可能性があるため、この日のユーロは一時的に強含む場面もあったが、上昇は限定的でドル安要因にはなり切れていない。スペインのカタルーニャ独立問題をめぐる混乱もまだ続いていることがユーロを下落基調の範囲にとどめている。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、20日からの一段高で遅行スパンが好転、先行スパンを突破した。24日未明の反落で遅行スパンが一時悪化し、先行スパンにもぐりこんだが、24日夜への上昇で遅行スパンは再び好転、先行スパンからも上抜けてきている。このため先行スパンを上回るうちは上昇継続性を優先的に考える。
23日朝高値を上抜けていないので、ダブル天井型形成から反落する可能性もあるが、高値更新ならダブル天井破りによる一段高へ進む可能性がある。また一挙に高値更新へ進めない場合でも、24日未明安値割れに至らなければ高値圏の持合いとし、時間をおいて持合い上放れヘ進みやすいと思われる。

60分足の相対力指数は24日未明の下落で40ポイントを割り込んだが、その後は60ポイント台まで戻し、おおむね50ポイント台での推移となっている。25日未明に45ポイントを一時的につけて切り返しているので、45ポイントを上回るうちは上昇継続余地ありとみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、やや日柄が浅いものの23日朝高値でサイクルトップを付けて下落期に入ったが、24日未明安値からの反騰で23日朝高値に迫ったので、24日未明安値を短縮されたサイクルボトムとして新たな強気サイクルに入っている可能性がある。23日朝高値更新なら新たな強気サイクル入りとして26日から30日への上昇へ進む可能性を考える。弱気転換は24日未明安値割れからとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)113.60円を上回るうちは上昇余地ありとし、23日未明高値超えからはダブル天井破りの一段高入りとして、7月11日高値114.494円試しを想定する。その前後では戻り売りも出やすいとみるが、5月11日高値114.369円、7月11日高値114.494円とわずかに高値ラインは切り上がっているので、高値更新の可能性ありとみる。
(2)113.60円割れの場合、一挙にダブル天井破りへ進めずに高値圏持合いにつかまる可能性を警戒して113.50円から113.40円にかけての下落を想定するが、そこは押し目買いから戻しに入りやすいとみる。(了)<9:50執筆>

【当面の主な予定】

10月25日
17:00 (独) 10月IFO景況感指数 (9月 115.2、予想 115.0)
17:30 (英) 7-9月期GDP速報値(前期比予想 +0.3%、前年比予想 +14%)
21:30 (米) 9月耐久財受注 前月比 (8月 +2.1、予想 +1.2%)
21:30 (米) 9月耐久財受注 除輸送用機器 前月比 (8月 +0.5%、予想 +0.4%)
23:00 (加) カナダ中銀 BOC政策金利発表 (現行 1.00% 予想 据え置き)
23:00 (米) 9月新築住宅販売件数 (8月 56.0万件、予想 55.5万件)

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