<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場は、小幅ながらドル高・円安。午前中に113円台乗せをトライしたものの、失敗した感を否めず。しかし、夕方にかけて再びチャレンジすると、そこではしっかりと乗せている。
ドル/円は112.90-95円で寄り付いたのち、ドルが買い進まれ113円台を回復。しかし、定着はできず、その後は113円挟みで揉み合いに。しばらくは冴えない値動きとなったが、夕方にかけて再びドル買いが優勢になると、しっかりと113円台に乗せてきた。日中のドル高値である113.15円レベルまで一時値を上げたのち、16時時点でも113.00-05円の高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか日経平均株価は本日も続伸、前日比71円高で13日連続の上昇をたどっていた。
一方、材料として話題になっていたものは、次期FRB議長の人事と北朝鮮情勢。前者については、米財務長官の発言をもとに発表が来月にズレ込む可能性も市場で取り沙汰されるなか、ホワイトハウスから「トランプ米大統領が数日中に人事について公表する」との発表がなされている。
それに対し後者は、朝鮮中央通信が「北朝鮮の対米関係団体、米韓演習に反発し超強力措置を準備」と報じ、一時物議を醸していたようだ。また、それらとは別に、中国の経済指標がまとめて発表されたものの、内容的には好悪入り混じっており、影響は限られている。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、「ドル高値113.44円を記録した6日以降の調整局面も、16日の111.65円でボトムアウトしたとみられる」−−などとレポートしたが、これほど早く113円台を回復するなど、ドル高基調に回帰するとは予想していなかった。想像以上にドルは強い。
これには、NYダウの強さや米金利の上昇を当然無視するわけにはいかないが、材料的には懸案事項であった「次期FRB議長の人事」をマーケットが先食い、勝手に好感しているような面も指摘されている。とすれば、実際に新FRB議長が決定後は「噂で買って事実で売る」の格言通り、一時的かもしれないがドル売りが進行することを想定しておいて損はないのかもしれない。
テクニカルに見た場合、まだ完全に「定着した」とは言えないものの、113円台に乗せてきており、ドル高トレンドに回帰した感がうかがえる。そんなドルの次のターゲットは前回高値の113.44円で、超えれば7月高値の114円半ばが薄らとだが視界内に。
それに対するドルの下値は、サポートとして機能している感のうかがえる移動平均の200日線が位置する111.70-75円となる。いずれにしても、ドルが底堅いイメージであることは間違いない。
一方、材料面ではこのあと、10月のフィラデルフィア連銀景況指数や9月の景気先行指数といった米経済指標が発表されるほか、米企業決算も多数予定されており、それらは当然要注意。
しかし、それよりもNYダウを中心とした米株や米金利の動きならびに、次期FRB議長をめぐる人事などに注意を払いたい。ちなみに、後者に関しては本日トランプ米大統領がイエレンFRB議長と会談する計画があるとされていることで、一気に人事問題が進展する可能性もありそうだ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.50-113.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の113.15円レベルが最初の抵抗で、抜ければ前回高値113.440円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日のNY時間から底堅さを醸している112.80円レベルの攻防にまず注視。ただ、割り込んでも一目均衡表の転換線などが位置する112.40円前後がサポートとなりそうで、これまでの強いサポートだった移動平均の200日線などは遠い存在となった感を否めない。(了)
オーダー/ポジション状況
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